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所属クラブ離脱には葛藤も…広島DF佐々木翔が代表生き残りへ決意「全てをかけてやっていけたら」

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オンライン取材に応じたDF佐々木翔(広島)

 DF佐々木翔(広島)が17日、日本代表トレーニングキャンプ初日のオンライン取材に応じた。21日に予定されていた国際試合は検疫措置の影響で中止となったが、「試合だろうが、練習だろうが、ピッチで見せることについては変わらない」ときっぱり。代表での生き残りに向けて力強く決意を語った。

 今月下旬にカタールW杯アジア最終予選を控える日本代表は17日、シーズンオフの国内組によるトレーニングキャンプを開始。W杯出場に向けて生き残りをかける19選手が代表活動に集まった。当初は21日にキリンチャレンジ杯・ウズベキスタン戦が行われ、貴重なアピールの機会が与えられる予定だったが、日本政府に相手の入国が認められず中止。代わりにトレーニングマッチが組まれる見込みとなっている。

 異例の形となった代表合宿。それでも佐々木は「(試合中止で)目の前の大きな目標がなくなってしまったので残念だけど、やはりやることは変わらない。試合だろうが練習だろうがピッチで見せることについては変わらない。まずは与えられた環境で自分を精一杯表現してプレーしていくことが大事」と力を込める。海外組には負傷者が相次いでおり、この合宿はW杯予選への招集にもつながる大きなチャンス。「割って入っていけるようにトレーニングから頑張っていく」と決意を示した。

 もっとも、今回の代表活動に参加するにあたっての代償は小さくない。すでに所属クラブの活動はスタートしており、新シーズンに向けたチーム作りの真っ最中。もしW杯予選のメンバーにも選ばれれば、活動終了後14日間の隔離義務が日本政府から求められており、シーズン開幕直前の2月中旬までチームに合流することができなくなる。

 サンフレッチェ広島で絶対的な主力を担う佐々木自身も、複雑な思いを抱えつつの代表合流となる。葛藤をのぞかせつつ、代表への意気込みを語っていた。

「広島のチームとしても非常に重要な時期であるのは間違いない。チーム事情としても監督が来られない、若い選手も多いというのがあるので、僕がいてトレーニングをして、みんなとチームを作り上げていくことができればさらによかったかもしれないとは思うけど、チームは僕がいなくてもしっかりやれるチームだし、心配はしていない。どちらかというと僕が広島のチームに対して力を与えることができないことに苦しさを感じる。ただ、日本代表メンバーに選んでいただいて非常に光栄だし、ここでプレーできることが選手として素晴らしいことなのは理解している。まずは与えられた環境で自分がいかにプレーできるかが大事。僕が生き残っていくこともそうだし、いろんなことを考えると難しいけど、チームはチームで信頼しているメンバーはいるし、自分がいいプレーを出して生き残っていくことに全てをかけてやっていけたら」

 そんな佐々木だが、オフシーズンの代表活動ながらもコンディションは「万全です」と強調。「選んでもらったので、オフの間もしっかりと気を使いながら生活したし、合わせて準備できるようにしてきた」といい、普段とは異なるルーティーンでオフシーズンの調整を行ってきたようだ。

「あまりこういった経験がなかったので、試行錯誤というか、最低限なことはしていかないといけないと思っていた。ただ自分自身で追い込んだり、上げたりするのが好きなタイプなので」。そう笑顔を見せた佐々木は「始めたら自分でヒーヒーいうくらい追い込めるし、休む期間と、維持する期間と、この合宿に向けて体を作るために追い込む期間を分けて、いい準備ができたと思う」と自信をのぞかせた。

(取材・文 竹内達也)
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