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「脳が付いていかないです」長友が妻と呼び間違えたアンリとのエピソード明かす

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若手と積極的にコミュニケーションを取ったDF長友佑都

 国内組のみの編成となった日本代表は合宿最終日に流通経済大と練習試合を行い、5日間のキャンプを打ち上げた。

 今合宿にはDF西尾隆矢(C大阪)、MF荒木遼太郎(鹿島)、MF松岡大起(清水)、MF鈴木唯人(清水)という初招集組のほか、GK北川空(流通経済大3年)、DFチェイス・アンリ(尚志高3年)、FW佐藤恵允(明治大2年)の3人もレーニングパートナーとして帯同。代表経験の浅い選手が数多く集まる中、若手への声がけや盛り上げという部分で存在感を見せたのがDF長友佑都(FC東京)だった。

 練習ではアンリからボールを受けた長友が間違えてアンリのことを妻・平愛梨さんの名前で呼んでしまい、「愛梨じゃねーよ」と苦笑いするシーンや、ボール回しでミスをした自分をかばったアンリに「I love you」と声をかける姿も話題になったが、ベテラン選手が積極的に若手とコミュニケーションを取り、リラックスさせながらチームの輪の中に入れようとしていた。

「若い選手には正直、怖さもあると思う。(トレーニングパートナーは)いきなり高校、大学からここに来て不安もある。僕みたいなベテランが受け入れてあげて、笑いを作ったり、自分が馬鹿になったりすることで彼らの能力が最大限発揮できる環境を作るのも僕らの役目だと思っている」

 35歳の長友に対し、高校3年生のアンリは17歳。年齢は倍以上違うが、「アンリとは20歳近く違うけど、最近の高校生は何を考えているのか、何が流行ってるのか。いろいろ話せて面白かったし、青春に戻りました」と笑みをこぼした。

 国内組のみとはいえ、A代表の強度やスピード感を体感できたことはトレーニングパートナーにとっても貴重な経験だった。それでも長友は「世界で勝っていくにはまだまだ強度は足りない。自分自身もそうだけど、日本の選手は小さいコートでアジリティーを発揮するのは得意だけど、コートが大きくなるにつれてその強度を出せなくなる課題が日本サッカーにはある」と持論を展開する。

「インテンシティーに関して言えば、アンリとは紅白戦で一緒に(左サイドバックと左センターバックとして)組んだけど、『長友さん、速すぎて脳が付いていかないです』とボールが出るたびに言っていた」。そんなエピソードを披露した長友は「アンリは日本代表に対してそのスピード感を感じたかもしれないけど、日本代表は世界のレベルに入ったときに、まだまだ脳の神経系も含めて遅いんだなということを感じている」と、世界基準で考えたときの課題に言及した。

(取材・文 西山紘平)

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