beacon

日本代表W杯アジア最終予選メンバー発表 森保一監督・反町康治技術委員長オンライン会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

オンライン取材を行った森保一監督

 日本サッカー協会(JFA)は22日、オンラインで記者会見を行い、カタールW杯アジア最終予選2試合の日本代表メンバーを発表した。今回はホーム2連戦。27日に中国戦、2月1日にサウジアラビア戦をそれぞれ埼玉スタジアム2002で行う。

 メンバー発表会見では森保一監督、反町康治技術委員長が約40分間にわたって質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

反町康治技術委員長
「1月17日から昨日の21日まで、国内組という言い方になるが、合宿を行った。Jクラブの立ち上げの時期の大事な5日間、クラブの方々には、協力頂きまして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。本日、24日から23名で活動するメンバーを発表させて頂いた。これは1月27日の中国戦、2月1日のサウジアラビア戦に向けてのメンバーです。とにかく、全力で戦っていきたい。私の立場としては、できる限りのサポートをして、最高の準備をして、最高の試合をして、最高の勝ち点を取ることを意識してやっていきたい。今のコロナ禍、特にオミクロン株の影響もあって、感染状況は思わしくなく難しい状況にあるにも関わらず、政府の方々のご厚意によってホームで2試合、しかも埼玉スタジアムも、大野知事をはじめ、たくさんの方々のご尽力によって、試合ができることを嬉しく思うし、そういう方々の気持ちも汲んで、この2試合戦っていきたい」

森保一監督
「我々はアジア最終予選に向けて、昨日まで国内組のキャンプをさせてもらった。Jクラブの皆さん、大学の皆さん、そして高校からも、新しいシーズンに向けての難しい活動期間の中に選手を招集させて頂き、活動させて頂いたことにお礼を申し上げたいと思う。皆さん、本当にありがとうございました。今回のアジア最終予選、中国戦、サウジアラビア戦と、政府の皆さま、埼玉県の行政の皆さま、そして多くの関係者の皆様のご理解とご協力でホームで試合をできることに本当に感謝したいと思う。ありがとうございます。我々はこのアジア最終予選に向けて、最善の準備をして、この2試合、勝ち点3をつかみ取れるように、これから与えられた時間の中で最良の準備をしたいと思う。試合では1試合1試合、多くの皆様に応援をして頂けると思うので、勝って笑顔になって頂く、喜んで頂く、そして、選手の頑張りを見て頂き、サポーターの皆さま、国民の皆さまに元気や勇気を届けられるようにベストを尽くして戦いたい。応援よろしくお願いします」

——吉田麻也が負傷で不在となるが、どう考えているか。また代わりのキャプテンは。
「まずは吉田が怪我で今回の代表活動に参加できないことで、キャプテンを決めなければいけないと思っているが、活動が始まってから最終的に決めたい。候補になる選手はたくさんいるし、これまでの活動を見た上で、最終的にメンバーが確定して、選手が集まった時にお伝えしたい。しかしながら、誰がキャプテンをやるということよりも、これまで吉田がキャプテンとしてチームをまとめてくれて、われわれスタッフと選手の架け橋になってくれて、チームとメディアの皆さん、チームとサポーターの皆さんの関係で非常に良い働きをしてくれた。ただ彼だけがチームのために行動していたのではなく、選手一人がチームのためになる言動をしてくれたからこそ代表がいい活動ができている。キャプテンとしてチームをまとめてくれる存在は大切だが、まずは一人一人がチームが勝つために何ができるかを責任を持って、中国戦、サウジアラビア戦に挑もうと確認してキャプテンを決めたい」

——国内組トレーニングキャンプで強度の高い活動をしていたが、ここに残った選手は少なかった。海外組と国内組のコンディションを踏まえた上での選択だと捉えているが、序列の部分でどう考えているか。
「国内組で代表キャンプをさせてもらって、間違いなく昨日のキャンプで一生懸命にベストを尽くしてくれた選手たちがこの代表の戦力であることは確認させてもらった。残念ながら毎回活動の際には招集できる人数が決まっているし、これまでの活動といまの選手の状態、これからどうチームを作っていこうかという中で、総合的に考えて招集した。あまり変わってないと思われる方もいらっしゃるかもしれないが、彼らが選んでいなくても代表チームのメンバーのラージグループにいること、いつでも彼らには代表チームに参加してもらい、戦える戦力だということは私自身強く感じたし、昨日のキャンプの一番最後にも選手たちに伝えさせていただいた。まずは総合的に考えてという部分で中国戦、サウジアラビア戦での現段階でのベストと思い、選ばせていただいた。海外組と国内組のコンディションで言うと、すでに海外組の選手たちは今年に入って2試合、3試合プレーしている状況なので、試合感という部分でのフィット感は海外組のほうが公式戦をこなしているぶん、コンディションはいいのかなと思っている。国内組で選ばせてもらった選手は代表でこれまで継続して招集させてもらっているメンバーが多いし、連係連動の面でよりスムーズにいくということと、昨日までのキャンプの中でコンディションは上がってきているという確認のもと選考させていただいた。実際に全員が集まってから中国戦までに練習できる期間は少ないが、コンディションを見極めて中国戦に向けてベストなメンバーを選びたい」

——スカウティングを重ねていると思うが、中国戦とサウジアラビア戦それぞれの印象は。
「まずは中国戦が先に来るので印象ということで話したいが、監督が代わっていま選手選考をして新たにチームづくりをしている。戦術的な部分が何も見えてきていない。非常に難しい戦いになると思っている。そしてサウジアラビアについては攻守ともにアグレッシブに仕掛けてくる。われわれがどう戦うかが大切だと思う。1試合1試合勝つために分析するが、9月・10月・11月は1か月ごとに活動ができて、成果と課題を積み上げて活動できたが、今回は12月に試合がなかったので活動期間が空いて中国戦を迎えることになる。まずは選手たちがオフであったり、所属チームの活動が長くなる中で、代表チームへの戦術へとマインドをしっかり切り替えてもらえるように、われわれがどう戦うかの全体のコンセプトを整理して、より一人一人が思い切ってプレーできるよう、チームとしてスムーズに連係連動できるよう自分たちのほうをしっかりしないといけない」

——ワールドカップイヤーの初陣になるが、出場に向けた位置付けは。
「W杯を目指して戦い続けているし、その先の目標を見据えて中国戦、サウジアラビア戦の勝利がとても大切になる。すでに最終予選で2敗している中で、われわれがトーナメントを戦うつもりで目の前の1試合に勝っていって、W杯に向けて前進していきたい」

——これまでは選手を少し多く呼んでいた。今回もアクシデントも考えられる中、多く帯同したほうが良かったのではないかと考えるが、どのような経緯だったのか。
「今回の代表戦についてもプラス何人かの選手でチームを構成して、この2試合に臨むことも考えた。これまでのアジア最終予選では何人かの選手をプラスアルファで呼ばせていただき、コロナ禍の制限の中で対応しないといけないこと、怪我や累積警告で不測の事態が起きた時に対応できるように招集させていただいた。メンバー外になった選手もできることを精一杯チームためにやってくれたところを見せてもらい、今回もどのような状況でも代表チームに参加することがその選手にとって成長につながり、チームにとっても結果が得られるとも考えたが、長期間多くの選手を呼ぶという部分で、海外組では長時間移動してきてチーム内での競争で勝っていくのに難しくなるリスクがあることを考えた結果、こうした判断になった。国内組も昨日までキャンプをさせていただいて、非常にいいパフォーマンスを見せてくれたし、代表への思いを表して活動をしてくれた。メンバーに入る入らないは別としてチームの中で一緒に活動していこうとも考えたが、Jリーグであるならシーズン立ち上げのチームづくりの重要な時期にわれわれが余剰の戦力として招集させてもらうことはしてはいけないということで判断した。選手にとって、代表活動はどんな立場で来ても絶対的に選手としてプラスになる経験ができると思っているが、コロナ禍で厳しいルールがある中での生活、活動を終えて隔離期間があってチームに帯同しないといけないことによるメンタル面、パフォーマンス面への影響も考えると、招集できるちょうどの人数で活動させてもらったほうがいいと判断した。コロナ禍でいつ何が起きて選手が欠けるか分からないが、これまで力を見せてくれた選手たちに参加してもらい、戦力として考えていきたいし、そこで一緒に戦っていきたい」

——前田大然選手に特に期待していることは。
「前田大然に対しての期待はゴールです。セルティックでもデビュー戦で開始早々にゴールを決めたし、昨シーズンのJリーグでも得点王というタイトルを取っている。彼に期待することはゴールです」

——(反町技術委員長に)招集されていない古橋亨梧の怪我の状態をどう把握しているか。
反町「怪我の状況を詳細にわたっては把握していない。ただ、今回の活動中にチームのために貢献できるかということを考えた場合には、怪我の状態はそこまで良くないということで招集を見送ったという形」

——これまでは移籍直後は招集控えることもあったが、今回前田大然を招集した理由は。
「仰られるとおり、選手の状況を見て、そこは判断したいと思う。誰かという比較はしないが、前田大然は移籍から1試合しか試合をしていない中で、代表に招集ということについては、まず大然のキャラクターやプレーのクオリティを知っている監督がいる中での移籍だということ。それはすごく大きなアドバンテージ、招集の判断に至った非常に大きな理由となっている。移籍した直後、監督が選手の特長を知らない中で起用法を考えたり、選手にどうやってチームに馴染ませるか、揺れている中であるならば招集を控えたかもしれないが、大然の使い方をポステコグルー監督は頭の中に描いて獲得していると思うし、大然自身も他の日本人も一緒にいるし、彼自身も2度目の海外移籍ということも考えて招集した。まず、監督が選手を知っていることは非常に大きいと思う」

—追加招集では国内組を想定しているか。
「まだ招集については海外組のコロナの陰性証明をもって日本に入国できる期間内(※試合3日前までの入国義務がある)であれば国内外問わず考えたいと思っている。それよりも今回の国内組のキャンプをさせていただいて、結果的に選ばれたなかった選手は多数いるが、間違いなく代表の戦力になると思わせてもらえる選手がたくさんいた。本来であれば中国戦に向けて招集させてもらってもいい選手はいるが、いったんチームに戻ってもらいながらももしまた代表に力を貸してもらえるような状況になった時には代表に力を貸してもらいたい。代表にかける思いともっといい選手になってやろうという思いは存分に伝わってくるプレーを見せてもらったので、また招集できる状況になった時には国内組の選手たちに期待をしていきたい。話はズレるかもしれないが、この代表(最終予選)に向けての国内組のキャンプということでもちろん目的はあったが、代表のさらなるレベルアップと層の厚さを作るためにも、国内組のキャンプをさせてもらえたことは非常に大きな意味があると思っている。どんな状況の中でも戦力を落とすことなく戦っていけるということを選手たちに感じさせてもらったし、国内組だけで代表を組ませていただいたものが、選手たちの所属チームに帰ってからの成長への刺激だったり、チームに代表の経験をしてきた選手がチームに戻ることでいろんな選手の刺激になってもらえればと思う。Jリーグ、大学、高校、日本サッカー全体のレベルアップや盛り上がりにつながればという思いで招集させていただいた。今回の国内組キャンプが中国戦に向けて、そして日本サッカー全体のパワーになればいいなと思っている」

——(反町技術委員長に)テクニカルスタッフに中下征樹さんの名前が載っているが、新たに掲載した理由は。
反町「特にすごく大きな理由があるわけではないが、責任を持っていただくためにも分析担当には名前を載せるか否かを本人に話をさせていただいたところ、そうしたいという話があったので載せさせていただいた。本人もそれを望んでいた。責任を持って仕事をするという意味では一般的に後悔して認知していただきたいというのがある」

——先ほど元気や勇気をという話があったが、選手たちにどんなプレーを期待するか。
「まずは一人一人が持っている特徴を最大限に発揮するということと、チームのために走って戦うということ、仲間のために走って戦うということ。コロナ禍であったり、自然災害であったり、世の中が大変な状況の中で苦しい思いをして生活している方々がたくさんいる。そこで元気、勇気、戦い続ける、戦い抜くという根気の部分も選手たちのプレーを見て感じてもらえればと思う。選手たちには自分の良さを100%出す、チームのために走って戦う、最後まで戦い抜くという姿勢を見せてもらいたい」

●カタールW杯アジア最終予選特集
●カタールW杯各大会予選一覧

TOP