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日本サッカーの“現実”受け止めた久保建英「例えば自分がいるスペインみたいに…」

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MF久保建英(マジョルカ)

 MF久保建英(マジョルカ)が昨年9月以来、4か月ぶりの日本代表復帰を果たした。その間には右ひざの負傷により、約2か月間にわたる長期離脱も経験。「長かったので色々考えることはあった。満足に歩けなかったりもあったので、いろんな厳しさがあったけど、治ったので良かった」。その後はゴールも重ねてコンディションは上々。「いまの調子の良さをなんとかチームに還元できないかと思っている」と意気込みを語った。

 着実に爪痕を残した昨年9月のカタールW杯アジア最終予選・中国戦(○1-0)から4か月、久保がようやく森保ジャパンに帰ってきた。W杯予選初先発となった中国戦のパフォーマンスはその後の代表レギュラー定着も予感させるものだったが、東京五輪からの連戦の影響もあってか同月中に負傷離脱。10月、11月の活動に参加することができなかった。

 それでも負傷が癒えた久保は12月4日のA・マドリー戦で大金星につながる決勝ゴールを挙げると、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)では2試合で1ゴール2アシストの大活躍。MF古橋亨梧(セルティック)、MF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)らが負傷離脱した今回の活動で待望の復帰を果たした。

「これからいろいろシーズンも続くけど、気負いすぎずベストなパフォーマンスを出すことが一番。背負いすぎるのは良くないし、いつも通りの試合の入り、いつも通りの準備をして、いつも以上のパフォーマンスを出せれば」

 合流2日目の25日、オンライン取材に応じた久保はそう平常心を強調したが、発した言葉の至るところに決意をにじませていた。

 代表活動期間翌日の2月2日にはマジョルカにとって10年ぶりとなるコパ・デル・レイ準々決勝が控えるが、久保は欠場が決定的。「息をつく間もなくシーズン真っ只中で、カップ戦が残っている。カップ戦は名誉なことでありながらカップ戦も犠牲にしてきているので、自分の気持ちを見せていけたら」と代表への意気込みを語った。

 また「自分のプレーでみんなに楽しんでもらいたいとは思うし、もちろん結果が一番だし、自分がいいプレーをすることが一番だけど、みんなに喜んでもらえるようなプレーというのもプロである以上は求められると思う」と宣言。その言葉の裏には日本サッカーを盛り上げようという気概があるようだ。

「うまくなんて言えばいいかわからないけど、この2試合で日本のサッカーへの熱が高まるかというとそうではないと思う。そんな簡単な話ではないと思う。日本はある意味でいろんな文化が発達していて、たとえば自分がいるスペインみたいに日常でサッカーがそこまで浸透しているかというとそういうわけではないので、そこが現実としてあるというのは受け止めつつ、自分たちがいま代表を背負って試合をしているのを誇りに思いながら、与えられた役割を全うしていきたいと思う」

 自らが不在の日本代表は「自分が出られない中でも代表の試合はチームの試合と同様に気になっていた。リアルタイムで見ていていろいろ考えることもあったけど、見ているだけで何もできなかったので一ファンとして勝ってほしいなと思って見ていた」という久保。我慢の時期を乗り越え、再びピッチで輝く時がやってきた。

(取材・文 竹内達也)
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