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日本vs中国 試合前日の森保一監督会見要旨

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森保一監督

 日本代表は27日、カタールW杯アジア最終予選の第7戦で中国代表と対戦する。森保一監督は26日、試合会場の埼玉スタジアム2002でオンラインを通じて前日会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

●森保一監督
「まずはカタールW杯アジア最終予選、ホーム日本の埼玉スタジアムで試合ができることで尽力してくださったみなさんに感謝申し上げます。明日の試合ではカタールW杯に向けて、自動出場権を獲得するためにもホームで勝利を掴み取りたい。試合に向けて与えられた時間の中で、選手も最大限努力しているし、チームとしても短い時間だが、試合に向けていい準備ができている。選手たちには思い切ってプレーしてもらい、チーム一丸となって戦って勝利を掴み取りたい。勝利でサポーターの皆さんに、われわれの応援をしてくださっている皆さんに、コロナで大変な思いをしている皆さんに笑顔で喜んでもらうこと、そしてコロナ禍の状況の中で困難な生活を強いられている方々に選手たちのプレーを見てもらい、元気や勇気、そして粘り強く戦う根気を感じていただければと思う」

——吉田麻也、冨安健洋がいない中どう戦うか。主力がいない中で戦うにあたって、選手たちに強調したこと、話そうとしていることは。
「これまでのわれわれの代表活動の中で、吉田麻也、冨安健洋がチームにもたらしてくれた貢献度は非常に大きいものがあると思う。そういった意味では麻也、トミが今回の代表戦に参加できなくなったことは残念だが、一番痛い思いをしているのは本人たちだと思う。まずは怪我が治って充実したプレーができるように彼らの回復を願いたい。そしてわれわれだが、麻也、トミの出ていたポジションにはまた違った新しい選手が入る。新しく入る選手たち、チームとしてのコンビネーション等々を確認して、明日の中国戦に臨むことになる。選手たちにやってもらいたいことは、代わりに入ってくる選手としてではなくて、この状況で出場するということで、力を持った選手たちがピッチに立ってくれると思う。彼らは普段から所属チームで存在感を発揮して力のあるところを見せてくれているのでこの代表に参加してもらっている。自信を持って思い切ってプレーをしてほしい。誰かが欠けたから戦力が落ちたとかではなく、日本にはたくさんいい選手がいる。中国戦に向けてプレーできる選手が、チーム一丸となって戦って、日本の総合力で勝利を掴み取りたい」

——次のキャプテンは。
「今回の活動では遠藤航にキャプテンという役割を担ってもらうことになった。チーム全員が揃ったミーティングで航がキャプテンと伝えた」

——オマーン戦の後に吉田麻也がフォーメーションをどうするかを監督と話し合ったと言っていた。そのことは他の選手とは話していなかったと言っていた。その役割はキャプテンだからやるということなのか。吉田麻也だからやったのか。今回の活動ではそういった話し合いは誰がするのか。
「いまのご質問はキャプテンだからということと、伝えるべき選手には伝えるということで、全て決まったルールがあるというわけではない。キャプテンにはチーム全体を見てもらうために伝えるべきことは伝えようと思うが、試合をする上でキーになる選手であったり、ポイントとなる選手には戦術の変更であったり、選択肢であったりをこれまでも何人かの選手に伝えてきた。それは選手のキャラクターにもよると思うし、戦い方の状況にもよるということで理解してもらえれば」

——そういったことを試合の前に誰に伝えるかは決めているのか。
「今回はチーム全体に伝えているし、まずは明日の対戦相手である中国の情報がほとんどないということで、これまでの中国の戦いと監督が代わってからの戦いが同じなのかがわからないので、チーム全体で相手の状況を見ながら、われわれがやるべきことを実行していくことをトレーニングの中で進めている。そういったことは航には伝えたいし、またポイントとなる選手たちに試合までに伝えたい。ただ、一つのことをやっていくだけでもかなりの集中力がいる中、あまり選択肢を伝えすぎると選手たちの思い切ったプレーができなくなることにもつながるかもしれないので、見極めて選手たちに発信したい」

——(中国メディアから)中国のリー・シャオペン監督についてどう思うか。
「一つだけわかっていることは彼が武漢で監督をやっていたという情報だけ。中国代表の監督になってからどうチーム作りを進めているかは全くわからない」

——遠藤航をキャプテンに指名した理由は。他にも経験のある選手はいたと思うが。
「まずチームの中心としてわれわれの活動の中でプレーしてくれているということ。そしてポジション的にも攻守のつなぎ役、左右のつなぎ役で、チームの真ん中のポジションでプレーしてくれているということで航に決めた。他に経験のある選手もたくさんいるので、キャプテンの候補として考えた選手は他にもいるが、ポジション的にもチームの中心でプレーしてくれているということで決めた。経験のある選手たちはもちろん候補として考えたが、これまでの日本代表の継承をしていくという意味でも、もっとキャリアを重ねた選手たちよりも、経験のある選手と若手の両方の層にコミュニケーションを取れる航ということで決めた」

——相手に出方は分からないとはいえ、守りを固めてくることが想定されるが、サイドの突破が鍵になると思う。相手をこじ開けるイメージは。
「前回は中国がリトリートした戦いを仕掛けてきたことはあるが、同じような戦いでくるかどうかは監督が代わった中でわからないし、監督が変わって第1戦ということでかなりの高いモチベーションで試合に臨んでくると思う。彼らがアグレッシブに戦ってくることも想定しながら試合に向けて気持ちの部分、戦術的にも準備をしたい。われわれはできるだけ主導権を握って戦うことは目指していきたい。攻撃の優先順位ではこれまでやってきたことを明日の試合の状況の中で発揮してもらいたい。ボールを奪った瞬間、相手のゴールに向かえるのであれば素早くカウンターを仕掛けるということ。それができないのであればボールを握りながら相手の背後を突いていく、前線で起点を作る。相手が中央を締めてきたらサイドからの攻撃を仕掛けて、サイドを崩しにいく。状況に応じて使い分けてもらいたい。前回の対戦はクロスから得点を奪ったが、その攻撃パターンもしっかり持ちながら、中国がどういう守備の戦術をとってくるかで臨機応変に対応できるよう、選手たちには考えながらプレーしてほしい」

——ヤンセン氏が亡くなられたニュースがあった。影響を受けたことは。
「ヤンセンさんの訃報の連絡が昨日知り合いから届いた。まずはすごく悲しいし、寂しい気持ちでいる。ヤンセンさんとは1995年、96年に広島で監督をしてくださったときに選手として多くのことを学ばせていただいた。そして2年間一緒に仕事をした中でも選手としての学びもあったが、『お前は将来指導者になるだろう』ということで指導者としての心構えもその当時から教えていただいた。ヤンセンさんには人として尊敬できるということも含めて、サッカー選手として指導者として多くのことを学ばせていただいたので感謝申し上げたい。ヤンセンさんに心からご冥福をお祈りします」

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