[1.27 W杯最終予選 日本2-0中国 埼玉]

　待望のW杯最終予選デビューは25歳の誕生日だった。試合後、日本代表MF板倉滉(シャルケ)は「結果的に点が取れたら最高だったけど、誕生日というのは忘れるくらい集中していた。もちろん頭の片隅にはあったけど、それよりもチームの勝ち点3を取りたいと思っていた」と笑顔で振り返った。

　今回の最終予選ではDF吉田麻也(サンプドリア)、DF冨安健洋(アーセナル)という森保ジャパンの主軸を担ってきたセンターバックコンビが不在。その代役に抜擢されたのが東京五輪でも同様の立場を担った板倉だった。「ここでやらないと終わりだなと自分の中で臨んだ。勝ち点3を絶対に取らないといけないと思っていた」。これが最終予選は初出場。「プレッシャーもあったし、CB不在ということで見ている人には不安材料があったと思う」と逆風も認識していたが、無失点で重責を務め切った。

　一方的に日本が主導権を握っていた中、注意していたのは相手のカウンターへの対応だった。「常にコミュニケーションを取りながら、相手が一本のロングパスを狙っていたので、そこのケアをコーチングしながらやっていた」。CBの相方を務めたDF谷口彰悟(川崎F)は元チームメート。当時は板倉の出場機会が少なく試合で共にプレーすることはほとんどなかったが、「よく知っているし、コミュニケーションもいっぱい取れる」という好連携を90分間通して続けていた。

　とはいえ、まだまだ改善できる余地を感じているようだ。「シュートを打たれた回数は少なかったし、結果的にゼロで終われたのをポジティブに捉えつつ、もっと良くなる印象はある」。そう振り返った板倉は「最終予選という舞台もあって、まだまだ硬かったなという印象がある」と反省。「守備では一本で入れ替わりたくないというところで、行き切れていないところもあったのでもっとガツガツ行ける。攻撃では気持ちに余裕が出てくると見えるところが増えてくるのでもっと良くなる」と展望を語った。

　2月1日に控える次戦の相手はグループ首位のサウジアラビア。アジア屈指の強敵に対し、自身の“伸びしろ”も見せるチャンスとなる。板倉は「間違いなく今日とは違ったゲームになるし、そういう相手に勝っていかないといけないと思う。短い期間でコミュニケーションを取りながら、情報を入れながらやっていきたい」と意気込んだ。

(取材・文　竹内達也)

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