beacon

DF谷口彰悟「もっと代表に絡んでいきたい」“覚悟”示したW杯最終予選デビュー

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本代表DF谷口彰悟(川崎F)

[1.27 W杯最終予選 日本2-0中国 埼玉]

 30歳でのW杯最終予選デビューで、“代役”としての務めを見事に果たした。無失点の最終ラインを支えた日本代表DF谷口彰悟(川崎F)は試合後、「まだまだ成長していきたいし、吸収していきたいし、もっともっと代表に絡んでいきたい気持ちが強い。これからも向上心を持って成長していきたい」とあらためて成長への意欲を語った。

 今回の最終予選ではDF吉田麻也(サンプドリア)、DF冨安健洋(アーセナル)という森保ジャパンの主軸を担ってきたセンターバックコンビが不在。東京五輪代表のDF板倉滉(シャルケ)とともに代役に抜擢されたのは、17〜21日に行われた国内組トレーニングキャンプから好アピールを続けてきた谷口だった。

「プレッシャーはもちろんあった。メディアの方々の書き方も『大丈夫か』と不安なところもあっただろうし、『代役に誰がなるんだ』という報道もあった。ただ準備している選手たちはみんながその座を狙っていたし、チャンスを目掛けてやってきた」。

 2015年のA代表デビューからこれが通算6試合目。代表戦の経験はそう多くはない。それでも「最終予選は自分もものすごく出たかったし、チャンスが回ってきて、きちんとしてプレーを出さないと次はないという覚悟を持っていた」という谷口は、Jリーグ王者の川崎Fで積み上げてきたの経験を見事に披露した。

「国際経験は浅いけど、国内のチーム含め、いろんな経験をしてきているのは事実。ACLと似た感覚があったので、そういった自分の感覚を生かしながらやることができた」。そう手応えを語った谷口は試合後、自身のプレーイメージを事細かに語り、代表を担う選手たちとの関係性の良さをうかがわせていた。

「試合前のイメージとして相手がどう出てくるかわからないけど、基本的にブロックを組んでくる予想はしていた。なので僕や滉が持つ時間は長くなると予想していた。インサイドハーフの守田(英正)や(田中)碧を引かせるより、彼らが相手の嫌な位置にいて、そこにパスを出し入れをして、飛ばして(南野)拓実やサコさん(大迫勇也)にパスを通せればチャンスが広がるというイメージはしていた。試合が始まってそういうシチュエーションが多かったのでそこは狙っていた」

「僕らが持つ時間が長くなるところと僕らの前にスペースがあるので、ボランチの選手を引かせるのではなく、自分たちが持ち上がって相手がどう動くかを見ていた。前半は相手が間を締めてきていたので、(長友)佑都さんを高い位置に上げてシンプルにつければ、もし外切りしてきたら相手が空くし、相手を見ながらやれた」

 その一方で、谷口は「もっともっと合わせられる」とも強調した。縦パスが南野に通らなかった前半3分のシーンが象徴的だったが、ビルドアップには改善の余地があると捉えている様子。「間が空いているのは見えているけど、出していいのか躊躇うシーンもあった。その辺でもっとコミュニケーションを取っていけば、もっともっと伸びていく部分かなと思う」と展望した。

 次の相手はグループ首位のサウジアラビア。前回対戦ではアウェーで0-1の敗戦を喫しており、ホームでリベンジがかかる重要な一戦となる。また「新たな競争が生まれればいいし、食い込んでいきたい気持ちが強い」という谷口にとっては、吉田や冨安の”代役”以上の結果を残す格好の舞台だ。

 相手のクオリティーも、日本が取るべきゲームプランもまったく異なる一戦へ。谷口は「今日は戦えたけど、サウジアラビア戦が大一番。しっかり勝ち点3を取らないといけないし、そういった思いで戦うつもり。次は次はもっともっといいプレーをしないと簡単に勝てる相手ではない。より戦えるところを証明していきたい。いい準備をして勝ちたい思いをプレーで表現できたら」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)
●カタールW杯アジア最終予選特集
●カタールW杯各大会予選一覧

TOP