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新たなポジショニングには手応えも南野拓実「もっとよくできる」サウジ戦はカウンターも鍵

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MF南野拓実(リバプール)

 27日のカタールW杯アジア最終予選・中国戦では、MF南野拓実(リバプール)の立ち位置に大きな変化が見られた。日本代表が常に試合を支配していたこともあってか、ピッチ中央や右のハーフスペースにもしばしば顔を出し、流動的なポジショニングを継続。直近の試合ではあまり見られなかった、カウンターではない形からの決定的なシュートチャンスもつくっていた。

 南野は28日のオンライン取材で「少し今回の試合までの期間が空いたので、練習の時からいろんな選手と話しながら、いろんなポジションで顔を出しながら攻撃に参加するイメージはしていた」と説明。「押し込んでいたのでビルドアップに参加したり、ワイドに張って相手のディフェンスラインを下げなくてもいい。そういうのも必要だし意識はしているけど、それよりも中が一番得意なスペースでもあるし、そこでどう前を向けるか」と自身の強みを意識していたことに加え、「サコくん(FW大迫勇也)がボールを持った時にどれだけ近くにいられるか、自分が走ったスペースを(長友)佑都くんが使えるように意識していた」からこその選択だったようだ。

 昨年10月のオーストラリア戦(○2-1)で4-3-3にシステムを変更して以降、ベトナム戦(○1-0)、オマーン戦(○1-0)と左サイドの役割分担に課題を見せていた森保ジャパン。南野自身も「ワイドに張って攻撃を仕掛けるか、相手の間で受けるのか、迷いながらプレーしている部分もあった」と悩みをのぞかせていた。だが、中国戦ではビルドアップの流れもよくなり、南野が高い位置でプレーできる機会が増加。これまで以上にタスクが整理された印象を受けた。

 それでも南野は「こういうフォーメーションになってから試合を重ねるにつれてたしかに良くなっている部分もあるし、チームメートとこういうポジションを取ろうと共有できる部分も多くなっていると感じる」と述べつつ、「もっとよくできるなとも感じる」と指摘する。「チャンスはあったし、決められたらとは思う。個人的には改善したいポイントの一つ」という決定機での精度も含め、次のサウジアラビア戦ではさらに高いレベルを発揮していく構えだ。

 日本は昨年10月にアウェーで行われたサウジアラビア戦で、0-1の敗戦。前半から激しくプレッシングをかけるアグレッシブな戦術を試みたが、疲弊した後半にミスから失点を喫した。4-3-3へのシステム変更はその一戦が大きな契機。新システムを引っさげ、リベンジを狙う形となる。

「サウジアラビアはビルドアップからしっかりサッカーしてくるチームなので、まずは守備の部分。フォーメーションはどういう戦い方で挑むかはわからないけど、4-3-3でやっている部分もあるし、(前回の対戦とは)形は少し変わってプレーする可能性もあるので、プレッシングの行き方が重要になる。そこで相手にいい形でプレッシャーを与えてショートカウンターが出るようになれば、試合として前回よりいいプレーができるんじゃないかなと思っている」。

 そう試合を展望した南野は「次の試合に関しては前回の試合ほどボールを長く持ってプレーできる時間がないと思うし、押し込まれる時間もあると思うので、間で受けるより縦に速い攻撃が必要になると思う」とカウンター攻撃にも注力。「個人的にはもっと自分の良さを試合の中で出していければ」と自身の良さも出しつつ、勝ち点3に貢献していく構えだ。

 なお南野は中国戦から一夜明けた28日、全体練習のピッチに一人姿を現さず、併設の室内施設でトレーニングを実施。だが、コンディションには影響はないようだ。中国戦で足を踏まれたことにより「サッカー選手はよくあることだけど、爪に内出血していた」と南野。「次に向けては問題ない。いい準備をしたい」と無事を強調していた。

(取材・文 竹内達也)
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