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[MOM3763]尚志FW鈴木虎太郎(2年)_「首を固定」「打った後に見る」を実践。東北決勝でVヘッド

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前半3分、尚志高はFW鈴木虎太郎が決勝ヘッド

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.31 東北高校新人選手権決勝 尚志高 1-0 東北学院高 Jヴィレッジ]

 助言をすぐに実践し、決勝点に結びつけた。尚志高は前半3分、FW網代陽勇(1年)の右クロスをニアのFW鈴木虎太郎(2年=モンテディオ山形ジュニアユース村山出身)がヘディングシュート。これがゴール左へ決まり、先制点となった。

「自分はクロスが上がった時に(ヘディングで)首を振っちゃうんですよ。でも、『打った後に(ボールを)見ると絶対に逸れない』と言われたので、意識しています」。このシーンでは、小室雅弘コーチから指摘されていた課題を実行。それがゴールに繋がった。

「準決勝もヘディングがあったんですけれども右に外しちゃったので、そこで(小室コーチから)『首がしっかり固定されていないぞ』『しっかり固定してボール見ろ』と言われて、それを意識してできたので良かったです」。午前中に行われた準決勝では決められなかったヘディングシュートを決勝では決めて、ヒーローになった。
 
 登録身長179cmで元々ヘディングは得意。高校進学後にボールへの入り方などを学び、空中戦での勝率が向上したという。この決勝ではヘディングに加え、前線でボールを収めてサイドへ展開するなどチャンスメーク。前線での身体を投げ出すような守備も効いていた。

「(仲村浩二)監督とか小室さんからプレスバックというところも意識付けされていて、横パスを予測してインターセプトしたり、蹴らせないでスライディングは言われているので意識してやっていました」。献身的な守備や攻撃の起点になる動きも特長のFWは今年、何より得点にこだわる意気込みだ。

 昨年度の尚志は前線に力がある選手が揃っていたが、インターハイ、選手権の3試合全て無得点。いずれもPK戦で屈し、2回戦敗退に終わっている。「去年はリキ(村上力己)君だったり、小池(悠斗)君だったり、ストライカーがいたんですけれども、全国はリキ君とか小池君がいても、点を獲れないということが分かったので、そこは点を決めれるという気持ちだったり、小室さんからは最後のところで足首をしっかり固定すれば入る、あとは面を作ることと言われているので、これから意識し続けて、絶対に決めれるストライカーになれたら良いと思っています」と誓った。

 尚志は近年、FW染野唯月(鹿島)やFW阿部要門(青森)がプロ入り。鈴木は18年度選手権でベスト4に入った尚志の姿に憧れ、先輩ストライカーたちに続くことを目指して山形から福島の強豪へ進学した。今年は勝負の3年目。「個人としては去年の得点力不足というところがあったので、絶対的に決めれるストライカーになるということと、(公式戦で)絶対に決めて全国制覇できるストライカーになることが目標です」。決勝では2点目を奪うチャンスがありながら、決め切ることができなかったことを反省。フィジカル面の強化にも取り組み、大舞台で結果を残すFWになる。


(取材・文 吉田太郎)

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