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日本vsサウジアラビア 試合後の森保一監督会見要旨

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日本代表森保一監督

 日本代表は1日、カタールW杯アジア最終予選の第8戦でサウジアラビア代表と対戦し、2-0で勝利した。森保一監督が試合後、オンラインを通じて公式会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

●森保一監督
「サウジアラビア戦、そして、これまでの日本代表を応援して下さっているサポーターの皆さん、支援して下さっているすべての皆さんに応援の感謝を申し上げたいと思います。今日の試合も応援ありがとうございました。この試合に向けて、中国戦から、選手もスタッフも、次の一戦に向けて気持ちを切り替えて最善の準備をしていこうと。選手たちは、トレーニングで良い緊張感、集中力を持って質の高い練習で、この試合に向けて良いエネルギーを作ってくれた。サウジアラビアは非常にレベルの高いチームだけど、練習でやっている相手がもっと強いくらいの素晴らしい練習を持って、良い準備ができたことが、この試合に向けて良いエネルギーを作れて、勝利につながったと思う。また、中国戦、サウジアラビア戦と、コロナ禍で国内での開催が難しい中、たくさんの方々にご尽力を頂き、我々のホーム、日本で戦うことができた。もし海外でやっていたら、ひょっとしたら違う結果になっていたかもしれない。日本での開催、埼玉スタジアムでの開催にご尽力頂いたすべての方々に感謝申し上げたいと思う。皆さん、本当にありがとうございます」

――やってきたことが出た試合だと思うが、チームとしての手応えは。
「チームの成長という部分に関しては、監督として、選手たちがやってくれいる個人の役割、そしてチームとしての戦うベースという積み上げができてきていると感じている。対戦相手によって戦い方のオプションは変わっていく部分はあるが、チーム全体の試合に向かう姿勢、そして戦術的な攻撃、守備の優先順位等々、これまで積み上げてきたことを選手たちが良いコミュニケーションを取りながら、レベルアップしてきていると思う。そのベースの上に、対戦相手によって、戦い方のオプションを付け加える、そして個々の判断を付け加えること。選手たちがチームのやるべきベースとオプションの部分をうまく試合の中で生かして、プレーにつなげてくれていると思う」

――守備時にこれまでは3トップを前に残し気味にやっていたと思うが、今日はブロックを作るような守り方を途中からしているように感じた。切り替えるタイミングは選手の判断だったのか、指示だったのか。
「試合の入りはまずアグレッシブに行く部分、状況で相手のボールを奪いに行く部分で、高い位置から相手にプレッシャーをかけるところ。そしてミドルゾーン、ディフェンスゾーンという部分のブロックを作って、相手にプレッシャーをかけてボールを奪うことはミーティングやトレーニングで、短い時間だけど、選手たちには共有してもらうことはやってきた。しかし、そのプレーを具現化する、どのタイミングで使い分けるかは、選手たちが試合の状況を感じ取りながら、ピッチ内で対応力を持って意思統一しながら、前から行くのか、ブロックを作って相手にプレッシャーをかけるのかは、選手たちはやってくれているところだと思う」

――サウジアラビアの選手の印象と脅威に感じた場面は。
「サウジアラビアも我々と同様、これまでチームの中心として戦ってきたような選手がいなかったという、同じような状況だったと思う。主力が抜けたと言っても、サウジアラビアは非常にアグレッシブに戦ってくる。個の能力も高いし、チームとしても組織的に戦って来れる強さを持っていると試合では感じた。サウジアラビアのサイド攻撃にはかなり後手を踏むことがあったし、非常に攻撃力の高いチームだと思い、試合の戦況を見ていた」

――サウジアラビアの左サイドの攻撃は強いが、一方で左の守備は弱く、伊東選手のスピードで狙って行こうとしていたのか。先制点をどう見たか。
「サウジアラビアはサイドに非常に良い選手がいるし、サイド攻撃を強みにしているチームだと思う。攻撃の選択肢として、そのスペースを突くことはできるのではないのかなということは、チームとして共通理解を持って試合には臨んだ。ただし、サウジアラビアに攻め込まれて、そこから攻撃に移る部分では、選手たちが状況を見て良い判断をしてくれて、どこにスペースがあるのか、どのように突いていけばいいのかということは、選手たちがピッチ内で良い判断とイメージの共有をしてくれて、カウンターにつなげてくれたと思う」

――次のオーストラリア戦は重要になる。集合した初戦は苦労することが多いが、次の試合に向けての勝算は?
「今日はホーム埼玉スタジアムで、サポーターの皆さんの声援を受けて、テレビの前でもたくさんのサポーターの皆さんが応援してくれた。選手たちが声援の後押しで、躍動してくれて勝つことができた。次のオーストラリア戦に向けて、まずは我々が気持ちと考え方をしっかりと整理しなければならない。今日は素晴らしい準備から戦いを見せてくれて、勝利をつかみ取ってくれたが、この勝利でW杯出場が決まったわけではない。まだ我々は何もつかみ取っていないことを次に集合した時に確認して、改めて目の前の一戦にどんな状況でも勝っていく最善の準備をしようということ。そして、対戦相手が勝利やW杯出場を与えてくれるものではなく、我々が勝ちに行く、つかみ取りに行くことを次の一戦に向けてやっていかなければいけないことを、オーストラリア戦の前は確認して臨まなければいけない。今日よりもさらに厳しい試合がが待っていること。移動して初戦は、毎回コンディションも整わず、なかなかコンビネーションも連携が上がらずに難しい試合を強いられているので、少しでも良い準備をして、その時のベストをオーストラリア戦にぶつけられるようにしたい。勝算については、やってみなければ分からないところがあるが、我々が良い準備をして選手個々が持っている力を100パーセント発揮する、チームとして連係連動して組織的にチームの力を100パーセント発揮できれば、我々が勝っていくという自信を持って準備をしたい」

――今日は守備から攻撃への切り替えがいつも以上に速く感じた。カウンターは意識付けされていたのか?
「トレーニングをたくさんできたかというと、トレーニングしたことが試合に出ただけということではないが、トレーニングの中で確認したり、ミーティングで確認したことを選手たちがしっかりインプットしてくれて、その試合の状況で良い判断につなげてくれてイメージを共有してくれ、素早い攻撃につなげてくれたと思っている。相手のウイークポイントを突いていく部分の確認のミーティングやトレーニングはしているが、まずは我々がやるべき攻撃のベースと優先順位、そして守備のベースと優先順位というところ、まず自分たちが何をやらなければいけないかを、選手たちがベースを持った上で状況で使い分けてくれる。今日の試合でも選手がコミュニケーションをしっかりとって共有してくれたと思う」

――試合後にサブ組が走っているのを監督は見ていたが、どのような意図があったのか。
「いつも見ているわけではない。中国戦の時はやらなければならないことがあったので、今日のように試合後に走る選手を見てあげることはできなかった。私自身は選手たちが練習しているところは出来る限り見てあげたい思いがあるだけ。私がやっていることを選手がどう受け取るかではなく、選手たちが頑張っている姿、努力している姿を私自身が見たいという思いで、試合後の練習を見させてもらった。選手たちが試合に出られない悔しさがある中でも自分のコンディションを落とさないようにトレーニングしている姿だったり、試合に出られない悔しさを持って腐るのではなく、腐って自分を向上させることをやめるのではなくて、常にモチベーションを保って自分の価値を上げようとする姿を見ることで私自身ももっと頑張っていかなければいけない、選手たちが成長してもらうために自分もいろんなことを学んで成長しなければならないという思いに今日もさせてもらった。自分自身が見たいから見させてもらっている」

(取材・文 折戸岳彦)
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