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U-23日本代表は豊田が先制点も追いつかれて1-1ドロー

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[3.27 国際親善試合 U-23日本代表1-1アンゴラ代表 国立]

 U-23日本代表は27日、東京・国立競技場でアンゴラ代表と対戦した。後半8分にFW豊田陽平(22=山形)が先制点を決めたが、後半31分に同点に追いつかれ、1-1で引き分けた。
 8月6日開幕の北京五輪に向けた強化試合の1つで、本番で対戦する可能性の高いアフリカ勢にどんな戦いを見せられるか。試金石となる一戦だった。ただ、A代表に招集されていたDF水本裕貴、DF内田篤人、DF安田理大が不在。欧州組の招集も見送られたため、本大会登録メンバー18人入りをかけたサバイバルの意味合いも強かった。
 反町康治監督は3-5-2の布陣を採用。GK西川周作、3バックは右から青山直晃、伊野波雅彦、森重真人の3人で、右サイドに長友佑都、左サイドに上田康太。ケガで離脱した梶山陽平、本田拓也に代わりダブルボランチには細貝萌、青山敏弘が入り、トップ下は梅崎司、2トップが豊田と李忠成という攻撃陣になった。
 対するアンゴラ代表は4-4-2。06年のW杯ドイツ大会のメンバー6人も先発し、前線には今年2月のアフリカネーションズカップで4得点を挙げてベストイレブンに輝いたFWマヌーチョ(マンチェスター・Uからパナシナイコスにレンタル移籍中)が入った。
 日本は立ち上がりから積極的な姿勢を見せた。前半1分に梅崎が左足ミドルでオープニングシュートを放ち、その1分後にも梅崎のスルーパスから豊田が抜け出して右足でシュート。強烈なシュートにGKははじくのが精一杯だった。
 しかし、徐々に身体能力を前面に出すアンゴラに押し込まれ始める。人数をかけた速い寄せとファウル覚悟の激しい当たりで食い止め、ピンチは未然に防ぐが、攻撃をはね返すので手一杯で、アンゴラにボールを回される時間が目立った。
 攻撃もカウンター気味の縦パスが増え、なかなか中盤をつくれない。前半の終盤にはアンゴラの運動量が落ち始め、相手ゴール前まで攻め込む場面も増えたが、クロスの精度を欠くなどゴールには至らず、前半は0-0で折り返した。
 後半立ち上がり、明らかに前半と比べて出足の遅いアンゴラを日本が押し込み、先制パンチを見舞った。後半8分、右サイドを突破した長友がゴール前に低いクロスを送ると、DF2人の間に走り込んだ豊田が左足で合わせ、先制のゴールネットを揺らした。
 完全に足の止まったアンゴラは後半11~14分に3人を交代。フレッシュな選手を入れて反撃を狙うが、日本ペースは変わらない。中盤で自由にボールを持てるようになった日本は攻勢を強め、後半15分には青山敏がフリーの体勢から強烈なミドルシュート。後半24分には長友のインターセプトから最後は梅崎が左足で狙ったが、枠を外れた。
 ボールは回せるが、なかなか決定機をつくれない日本は逆に一瞬のスキを突かれて失点した。後半31分にマヌーチョがドリブルでペナルティーエリア内に侵入すると、DFを振り切ってゴール前に折り返し、ジャンジが右足で冷静に押し込む同点弾。それまで粘り強く守っていた守備陣にとっては痛恨の失点だった。
 後半33分には途中出場のMF香川真司から李とつないで、同じく途中出場のFW興梠慎三が左足で狙うが、わずかにゴール上へ。絶好のチャンスを逃した。終盤はベンチ入りしていたフィールド選手5人全員(興梠、香川、MF中山博貴、DF田中裕介、FW岡崎慎司)を投入。香川のドリブルや岡崎の積極性などそれぞれに持ち味を発揮し、勝ち越しを狙ったが、試合はそのまま1-1の引き分けに終わった。

(取材・文 西山紘平)

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