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理想像はMF遠藤航。桐光学園の2年生MF豊田怜央はデュエルや安心感、試合を決める力磨いて上へ

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桐光学園高MF豊田怜央はU-17日本高校選抜選考合宿でも抜群の強さを見せていた。(写真協力=高校サッカー年鑑)

 注目ボランチは22年の目標について、インターハイ出場とリーグ戦の昇格、そして「選手権で去年の成績を超える優勝を目指してやりたいです。個人としては、今年最も注目される選手になること」と掲げた。

 神奈川の名門、桐光学園高は第100回全国高校選手権8強。2年生ボランチのMF豊田怜央( S.T.FC出身)は初戦で決勝点を決めたほか、強みの「対人と前への推進力」を随所で発揮した。

「元々身体能力は高かったと思います。年少から小3までずっと水泳をやっていたので。それで体幹も鍛えられたと思います」と語る豊田は、中学時代にS.T.FC(東京)で連日対人の攻守を強化。桐光学園1年時にCBを務めていたこともあり、ボールを奪う、セカンドボールを回収するという力をさらに向上させた。

 そして、求められる強度をチームトップレベルで表現するMFは21年、怪我で出遅れたものの、課題の技術力の向上とともに台頭。選手権予選は準決勝でダイナミックな攻守を見せて勝利へ導くと、決勝ではゴールを決め、全国大会でも輝いた。

 その豊田は選手権後、U-17日本高校選抜選考合宿に参加。本職のボランチではなく、右SBとしての招集だったが、「対人のところの良さは活かせたかなと思います」というように持ち味を発揮し、U-18日本高校選抜との練習試合では敵陣でインターセプトしてゴールに結びつけた。上下動の部分は十分に増やせなかったものの、球際の攻守に関しては才能たちの中でも目立つほどだ。

 豊田が目標とする選手は日本代表MF遠藤航だ。「自分の良さである対人の先にいる選手なので。そして、また自分でチャンスメークしてゴールを決めたりもできるので、自分が最終的に目指す理想像かなと思います」。また、桐光学園の先輩DFで現町田の奈良坂巧のヘディングと対人の強さ、安心感、そしてセットプレーで試合を決めるところに尊敬の念を抱いてきた。

 加えて、選手権2回戦で対戦した帝京大可児高(岐阜)MF鈴木淳之介(3年→湘南加入)の相手の嫌なところへボールを運ぶ力や質の高いスルーパス、その上で守備もできることが刺激に。プロ入りした選手たちと接して学んだことを自身の成長、活躍に結びつけ、自分とチームをより上のステージへ引き上げる。

「自分がもっと活躍して、もっとチームを高いレベルに上げたいですし、個人としてももっと成長して、代表とか、プロに行きたいです」。高校最後の一年は、「今年1番注目されるような選手に」なるためにより努力を重ね、遠藤のようにデュエル勝負で負けないこと。そして、刺激を受けた選手たちの強みを身に着けて目標をクリアする。
 
(取材協力=スフィーダ、『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 吉田太郎)
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