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C大阪DF進藤亮佑が”完勝”ヘッド弾「相手の守備の選手たちが…」横浜FM指揮官はセットプレーに葛藤も

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DF進藤亮佑が先制ゴール

[2.19 J1第1節 横浜FM 2-2 C大阪 日産ス]

 一方的に試合の主導権を握られていたセレッソ大阪だったが、狙っていたセットプレーからの2ゴールで勝ち点1をもぎ取った。試合後、小菊昭雄監督は「リスタート(セットプレー)は大きなキーになると思っていた。スタッフと選手がいろんな準備をして、たくさんのデザインの中で2ゴール取れたことがチームとして大きな収穫」と手応えを語った

 フィールドプレーヤー10人の平均身長はC大阪の176.1cmに対し、横浜F・マリノスは172.8cm。C大阪の狙いは明確だった。違いが表れたのは0-0で迎えた前半40分。MF原川力の右CKにDF進藤亮佑が頭で合わせ、劣勢が続いていたC大阪が先制点を奪った場面だ。

「相手の守備の選手たちが身長が高くないというのはあったので、キッカーの原川選手には『ゴール前で勝負させてくれ』と試合前に話していた。良いボールを蹴れる選手なので信頼して、タイミングを合わせて、マークを外すことを意識してやっていた」。

 身長183cmの進藤に対し、マークについていたMF喜田拓也は170cm。「自分としては中のタイミングを合わせるところと、しっかりボールを見るという、基本に忠実にヘディングしたらゴールにつながった」。横浜FMの長身選手はニアサイドでゾーン気味に構えていたが、ファーに飛んだボールを追うことはできず。進藤が喜田の背中を取り、“基本に忠実に”競り合った時点で完勝だった。

 また横浜FMの1点リードで迎えた後半45分、C大阪の同点ゴールもCKから生まれた。直前の同じ形のCKでは、185cmのFWアンデルソン・ロペスがニアでクリア。横浜FMが制空権を握ったかと思われたが、原川は次のキックで“その裏”を狙った。高い弾道から落ちたボールはロペスと184cmのDF畠中槙之輔の頭上を超え、172cmのMF清武弘嗣にピタリ。これでスコアは2-2となり、結果的にセットプレーが勝敗を分ける形となった。

 C大阪の小菊監督がセットプレーに手応えを語った一方、横浜FMのケヴィン・マスカット監督は葛藤を明かした。「セットプレーのところだけで考えてメンバーを選ぶことはない。ボールを握ったときにどういうサッカーをしていくかでメンバーを選んでいきたい」。シーズン開幕に向けてチームスタイルの整備を進める中、セットプレーを大きく意識した編成は組みにくい。何より実際、流れの中では完全に主導権を握っており、「支配した試合になった」という手応えもあったようだ。

 とはいえ、試合結果に直結するような課題は修正していくほかない。指揮官は「セットプレーが重要ではないわけではないし、修正しないといけないが、セットプレーに集中してメンバーを選ぶことはない。セットプレーは背が高い、小さいは関係ない。メンタルが大事になる。これからどんどん良くなっていくし、メンタルを強く持ち、セットプレーも強くできるようにやっていきたい」と改善に向けて意欲を示した。

 また決めた進藤のほうも、主導権を握られ続けた試合内容については満足した様子はなかった。「守備の時間が長くなって、自分たちの時間が作れない展開は予想はできていたけど、それでも自分たちの時間は必要だと感じた1試合になった。もっと練習の中でトライして、立ち位置だったり、パス1本の質、3人目の意識を練習から自分たちで話し合って、アイデアを出してやっていくことが必要かなと思う」。セットプレーで奪った2ゴールに満足せず、流れの中のプレーを改善していく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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