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G大阪パトリックの退場に家本政明氏が見解「正直厳しい」鹿島FW鈴木優磨もイエロー相当か

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FWパトリック(G大阪)とFW鈴木優磨(鹿島)の競り合い

 元国際主審の家本政明氏が22日に配信開始したDAZNの判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」最新回に出演し、今月19日にパナソニックスタジアム吹田で行われたガンバ大阪鹿島アントラーズ戦でのFWパトリック(G大阪)の退場事案について「正直、厳しい」と述べ、退場判定は不適切だったという見方を示した。

 問題の場面は前半37分に起きた。パトリックは自陣に戻ってこぼれ球を拾い、ボールをキープしようとしたところ、後ろからFW鈴木優磨(鹿島)のスライディングを受けて転倒。直後、立ち上がろうとした際に左脚を鈴木に抱えられると、それを振りほどこうと左腕を出した行為がレッドカードの対象となり、荒木友輔主審に退場を告げられた。この時、VARの介入は行われなかった。

 番組ではゲストの平畠啓史氏が「スローとかを見る限りはレッドじゃないんじゃないかという気がした」とレッドカードの判定を疑問視。続いてJリーグの原博実副理事長も「厳しいと思う。角度によってはすごく当たったように見えたシーンもあるけど、実際はそんなに当たってないんじゃないか」と投げかけた。

 これに対し、家本氏も「正直、厳しいかなと。判断として。こういう表現がいいかはわからないが、パトリック選手がかわいそうだなという気がした。鈴木(優磨)さんに何も対処できなかったのは非常に残念だった。それがいくつかのアングルを見ての結論」と述べ、荒木主審に判定ミスがあったという見解を提示した。

 加えて家本氏は「じゃあなんでそういう判断をしてしまったかの話をしたい」と切り出した上で、荒木主審と両選手の位置関係に着目した。

 荒木主審は両選手の背後にいたため、家本氏は「全ての事実の情報を正しくキャッチできない位置にいる。主審からすると腕の動きはわかったんだと思う。でも腕の程度とか、どれくらい触ったのか、払おうとした手なのか、支えようとした手なのかの事実関係はわかりにくい」と分析。「荒木さんがもう少し冷静になって考えれば、客観的にこの事実が100%把握できるポジションにいたのかと問われた時には、事実も30%、40%くらいしかキャッチできていない」と述べつつ、「仮に見えている事実がダウトだから映像を見たいですとか、不確かな要素が強すぎるから映像がほしいということはできたのかな」とVARとのコミュニケーションにおける課題を指摘した。

 一方でVAR側からの介入は「このケースはだいぶ難しい」と説明。「レッドカードを感じてしまう映像が事実としてあって、それに対してはレフェリーは……。著しく不正な行為というより乱暴な行為なので、VARがレフェリーに『これは腕を置きに行っただけだよね』って取るのは認識として難しいんじゃないかと思う」と振り返った。

 また家本氏は審判目線での改善策も提示。「荒木さんがもう少し自分を客観的に冷静に判断して、俺は本当にこの事実を正しく適切な距離で判断できたのかという問いかけがあれば冷静になれるだろうし、もう少し望ましい結論になった可能性がある。荒木さんだけでなく他のレフェリーも認知のバイアスとか歪みに引っ張られるのではなく、事実を丁寧にしかも確実に捉えて、自分の立ち位置とかスピードによって見えていないものがあるんだろうと客観性を常に持ちながらレフェリングすることがあればもっと変わっていくと思う」とアドバイスを送った。

 最後に家本氏は自身が審判員時代に採用していた「ノーファウルかファウルか」「ノーカードかイエローカードか」「イエローカードかレッドカードか」の尺度を使って説明。パトリックの行為、鈴木の行為ともに「ノーカードかイエローカードか」のライン上にあり、いずれもややイエローカード寄りにあるとした。

 番組ではその他、横浜F・マリノス対セレッソ大阪戦でDF西尾隆矢(C大阪)がMFマルコス・ジュニオール(横浜FM)を倒した場面のファウル判定、川崎フロンターレ対FC東京戦でのFW永井謙佑(FC東京)のオフサイド判定について検証している。

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