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U-19日本代表候補が始動初日から練習試合。成長し続けてまずは「アジアのトップに」

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2本目、U-19日本代表候補の中盤で存在感ある動きを見せたMF宇野禅斗(青森山田高→町田)

[2.27 練習試合 U-19日本代表候補 0-3 関東大学選抜 高円宮記念JFA夢フィールド]

 23年のAFC U20アジアカップ、同U-20ワールドカップを目指すU-19日本代表候補が27日、千葉県内でトレーニングキャンプをスタートした。初日は関東大学選抜と練習試合(45分×2本)を実施。2本目の3失点によって0-3で敗れた。U-19代表候補は3月2日まで同地で合宿を行う。

 U-19代表候補は今回が22年の始動合宿。招集された26名中、所属クラブでJリーグ公式戦のメンバー入りした選手などを除く21名が練習試合に出場した。4-5-1システムを組んだU-19代表候補のGKは春名竜聖(C大阪U-18)で、4バックは右SB西久保駿介(千葉)、CBは追加招集の土屋巧(柏)と坂本稀吏也(山形)、左SB松田隼風(水戸)。中盤はキャプテンの吉田温紀(名古屋)がアンカーの位置に入り、その前方に安部大晴(長崎U-18)と木戸柊摩(大阪体育大)の2シャドー。右SH永長鷹虎(川崎F)、左SH山崎太新(横浜FCユース)、1トップは小林俊瑛(大津高)が務めた。

 試合開始前、冨樫剛一監督から攻守でゲームに係ること、そして日本代表チームのエンブレムを付けている以上、「絶対に勝たないといけない」というメッセージを受けて、“プロ予備軍”の関東大学選抜に挑戦。だが、合宿初日で初招集の選手やU-18世代の選手もいる中、思い通りにいかないことの多いゲームとなった。

 1本目、MF浅倉廉(拓殖大2年=静岡学園高)ら関東大学選抜にボールを握られる時間の続く展開。それでも13分、木戸の対角のパスを右サイドで受けた西久保が中央へ折り返す。ここに走り込んだ山崎が右足を振り抜く。さらに15分には、敵陣での奪い返しから西久保が右足シュート。攻撃から守備への切り替え速く、良い形でボールを奪った際にはチャンスに結びつけていた。

 関東大学選抜にゴール前のシーンも作られていたが、カバーに入った松田のクリアや土屋の渾身のタックルで阻止。また28分には相手のシュートをゴール前でブロックするなど決定打を打たせない。33分には西久保をCBチェイス・アンリ(尚志高)へチェンジ。土屋を右SBへ移行した。

 DFラインでアンリや坂本を交えて左右へ幅広くボールを動かすU-19代表候補は徐々に吉田や安部、木戸の中央を活用する形も増やして前進。松田が鋭い左足クロスをゴール前に入れる。スペースを狙った山崎や永長、小林が幾度か崩しに絡むも、十分にはその回数を増やせず、関東大学選抜の堅守を攻略することができない。それでも、吉田や春名中心に我慢強く守って、0-0で1本目を折り返した。

 吉田は「(集まったばかりで)コミュニケーションの部分や連係の部分で上手く行かないことが多かったんですけれども、途中からビルドアップの部分だったり守備の部分でできる部分もあった」と振り返る。

 2本目はメンバー8人をチェンジ。GKは佐藤瑠星(大津高)で4バックは右SB藤井海和(流通経済大)、CBがアンリと石井大生(湘南)、左SB入江羚介(帝京高)。中盤中央は底の位置に入った西谷亮(東京V)とキャプテンの宇野禅斗(町田)、そして木戸の3人で構成。右SH笠柳翼(長崎)、左SH山崎、1トップは福田師王(神村学園高)が務めた。

 立ち上がり、攻勢に出ていたU-19代表候補だが、5分、攻撃を組み立て直した際にミスが出ると、FW星野創輝(中央大1年=横浜FMユース)にロングシュートを決められて失点。10分にも押し込まれると、最後はアンリのディフェンス及ばず、MF榊原杏太(立正大2年=名古屋U-18)に2点目のゴールを許してしまう。

 U-19代表候補は12分、中盤で前を向いた宇野が巧みに右サイドへ散らし、笠柳がグラウンダーの絶妙なアーリークロス。これに福田が走り込んだがシュートは右へ外れた。さらに16分にも右サイドを笠柳と宇野のコンビで崩し、折り返しを山崎が狙う。

 追撃のチャンスを活かせなかったU-19代表候補は17分にアンリをCB高井幸大(川崎U-18)へ交代。迎えた22分、PAの守りを崩され、最後はMF田邉光平(中央大2年=名古屋U-18)に押し込まれた。

 福田は「味方との距離が遠くて、なかなか良い感じでボールを動かせなかった」と振り返る。3失点目直後、山崎、木戸に代わって永長と安部が再出場。宇野が精力的にボールに絡んで前進させていたほか、永長がドリブルで切れ込むシーンや、笠柳のスルーパスからスプリントした西谷がPA左へ抜け出すシーンもあった。また、相手にチャンスを作られながらも石井や高井、佐藤が凌ぎ、藤井と入江の両SBや福田が崩しに係ろうとしていたが、0-3のまま試合終了。22年初ゲームは悔しい敗戦に終わった。

 今年9月には、23年U-20ワールドカップへ向けた第1関門のAFC U20アジアカップ2023予選が開催される予定。吉田は「自分たち日本代表がアジアのトップになることは当たり前という認識を持って、自分たちが圧倒するような戦いをできないといけないと思うので、こういう大学生との試合でも自分たちが日の丸を背負っているので本当に負けられない。勝ちにこだわって内容でも圧倒できるようにしていかないといけない」と引き締めた。4日間の合宿で共通理解を深めて少しでもチームとしての成長すること。そして、選手たちはチームの勝利に貢献すること、またライバルとの競争で勝つために、より自分の特長を出すことを目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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