beacon

川崎Fの緊急事態に「練習でもやったことがなかった」“急造”左サイドバックで塚川孝輝が奮闘

このエントリーをはてなブックマークに追加

逆転ゴールの起点となったMF塚川孝輝

[3.3 J1第10節 川崎F2-1浦和 等々力]

 チームの緊急事態に慣れないポジションで奮闘した。川崎フロンターレは前半26分、DF登里享平が負傷交代となるアクシデント。緊急投入されたMF塚川孝輝が左サイドバックに入ると、後半は攻守に持ち味を示し、逆転劇に貢献した。

 ベンチにはDF登録の選手が不在だった。左サイドバックはDF車屋紳太郎が右肩関節脱臼で離脱しており、4日前の鹿島戦でプロ初先発を飾ったDF佐々木旭はベンチ外。苦しい台所事情だったが、鬼木達監督はアンカーを持ち場とする塚川を抜擢した。

「左サイドバックは練習でもやったことがなかったので、戸惑いがあった」(塚川)。投入直後は試合に入れず、前半33分、自身のファウルで浦和に与えたFKから先制点を献上。前半は苦しんだが、「自分自身が自信を持ってやることが一番、チームに良い影響を与えられると思った」と奮起した。

 後半はフィジカルの強さを示しつつ、周囲とのコンビネーションを生かし、効果的なパスをつけた。MFチャナティップとの連携から攻め上がってチャンスに絡めば、逆転ゴールの起点に。1-1で迎えた後半19分、DF酒井宏樹に激しく寄せられながらも球際の強さを発揮し、ボールをキープ。MF脇坂泰斗に絶妙なパスを通してDF山根視来の逆転ゴールを演出した。

「前半は特にメンタル的にナイーブになっていた部分があって、後半は自分がやれるプレーをやろうと思った」。意識の変化をそう明かした塚川は「サイドバックという感覚をなくして、自分ができることをやろうと、普段やっている感じで臨みました」と振り返り、安堵の表情。鬼木監督は「チャンスがあれば使いたいと思っていた。信じて使えた」と信頼をにじませ、「攻守で頑張っていた」と新境地での奮闘を称えた。

(取材・文 佐藤亜希子)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2022シーズンJリーグ特集ページ
●“初月無料”DAZNならJ1、J2、J3全試合をライブ配信!!

TOP