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アブラモビッチ氏がチェルシー売却を表明「これがクラブにとって最善の判断」

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チェルシーのオーナーを務めるロマン・アブラモビッチ氏

 チェルシーのオーナーであるロシア人実業家のロマン・アブラモビッチ氏が2日、クラブを売却する意向を表明した。

 ウクライナに対する軍事侵攻により、ロシアが世界各国から非難や経済制裁を受ける現状を踏まえての判断となる。

 アブラモビッチ氏はクラブ公式サイトで声明を出し、「以前から申し上げているように、私は常にクラブの利益を最優先に考えて決断してきました。したがって、現在の状況において、クラブ、サポーター、スタッフ、そしてスポンサーやパートナーにとっての最善を考え、クラブを売却するという決断を下しました」と説明した。

 売却時期に関しては「急ぐことなく、正当な手続きに従って行われます」とし、これまでのクラブへの融資の返済は求めないという。「これは私にとってビジネスや利益のためではなく、サッカーとクラブに対する純粋な情熱のための投資だったからです」と述べた。

 また、同氏は経営チームに対し、売却の純益を全て寄付するために慈善財団を設立するよう指示。「この財団は、ウクライナでの戦争の全ての犠牲者を支援するためのものです。これには、被災者の緊急かつ差し迫ったニーズに対する資金の提供や、復興のための長期的な支援も含まれます」とした。

 アブラモビッチ氏は2003年にチェルシーを買収し、潤沢な資金を背景にチームを強化。5度のプレミアリーグ優勝や2度のUEFAチャンピオンズリーグ制覇を果たし、先月にはクラブ史上初となるクラブW杯のトロフィーも獲得した。

「この決断は非常に難しいものであり、このような形でクラブに別れを告げるのは心苦しいですが、ご理解ください。これがクラブにとって最善の判断であると信じています」

 苦渋の決断だったと明かしたアブラモビッチ氏は「最後にもう一度スタンフォードブリッジを訪れ、皆さんに直接お別れの挨拶ができればと思います」とし、「チェルシーの一員であることは一生に一度の特権であり、私たちが共に成し遂げた全てのことを誇りに思います。チェルシー・フットボール・クラブとそのサポーターは、いつまでも私の心の中にいることでしょう。ありがとうございました」と感謝を伝えた。

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