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次世代型スポーツ施設『KYOTO TACHIBANA スタジアム』が完成。京都橘高や京都橘大、地域の強化・育成の場に

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京都市山科区に完成した『KYOTO TACHIBANA スタジアム』の人工芝サッカーコート。京都橘高や京都橘大の選手たちは待望の新グラウンドで強化、活躍を目指す

 京都橘高と京都橘大を運営する学校法人 京都橘学園が6日、次世代型スポーツ施設『KYOTO TACHIBANA スタジアム』の竣工を記念し、オープニングイベントを開催した。オープニングセレモニーには、京都橘高の米澤一成監督、京都橘大の橋詰広太郎監督、京都橘学園の梅本裕理事長に加え、門川大作京都市長、衆議院議員の前原誠司氏らも出席した。

 京都市山科区の京都橘大近くに完成したKYOTO TACHIBANAスタジアムは、人工芝のサッカーコートをメインに、フットサルコート、テニスコート、ビーチスポーツコート、2階建てのクラブハウスからなる総合スポーツ施設。サッカーコートにはボールに反応する自動追尾システムによる、無人での撮影ができるAIカメラが完備されており、この日、行われたオープニングゲーム2試合もYouTubeで生配信された。

 京都橘高は全国高校選手権準優勝1回、同3位1回、インターハイ3位1回の強豪校。これまで校内のグラウンドが手狭なため、市営のグラウンドを借りて練習していた選手は待望のグラウンドに大喜びで、FW西川桂太(1年)は、「凄く良い環境のグラウンドと凄く良い施設を作って貰ったので、恥じないプレーをして強くなっていきたい」と口にした。

 オープニングセレモニーに先駆け、昨年度から発足した京都橘高の育成組織、ウィザーズFC U-15と京都サンガF.C. U-15のゲームが行われた。テンポよくボールを動かし、幅を使った攻撃で京都U-15が押し込む展開となったが、カウンターからウィザーズの俊足FW舟川拓(2年)がゴールをマーク。この1点を守り切ったウィザーズが勝利し、初陣を飾った。

 隣のフットサルコートでは近隣の小学生を対象にしたサッカークリニックも実施。近くで小中学生時代を過ごした山崎雅人氏(G大阪、大分などでプレー。現在は大分U-18コーチ)、京都橘大出身でフットサル日本代表の経験を持つ堀内迪弥氏が指導を行った。今後は高校、大学のチームが使用するだけでなく、スクールやトレセンなど地域の活動にも開放される予定で、堀内氏は「このグラウンドから日本のトップリーグや世界で活躍する選手が出てくるのが楽しみ」とコメントした。

 オープニングセレモニー後には、高校と大学による30分1本の兄弟対決も実現。右サイドから上がったクロスをFW甲元大成(2年=桂高)が頭で決め、大学が勝利した。これまで校内にある土のグラウンドで練習していた大学生にとっても待望の施設で、京都橘大主将のMF関野竜平(3年=京都橘高)は「学校のグラウンドは冬場になると硬くなり、耕すところから始まっていた。土だとボールが跳ねて練習が難しかったけど、これからは言い訳できない環境になる」と気を引き締めた。

 また、京都橘高の主将を務めるGK田中萌誠(2年)は、「土のグラウンドでキーパーが練習をしていると、土対応のセービングになり、あまり遠くまで跳べない。それが芝になると、思い切り跳べるし、フィールドも思い切りプレーできる。蹴る時に滑らないとか単純な事がとにかく嬉しい」と笑みを浮かべた。

「土でのプレーによって鍛えられていた部分もあったけど、土のスピードを考えてプレーしているのでゲームになるとパススピードが緩かった。練習のバリエーションが増えるし、戦術の幅が広がる」と人工芝グラウンドの完成を喜ぶのは、 2000年の京都橘高サッカー部創部以来チームを率いる米澤監督だ。新たな施設を中心にした今後の構想を口にしつつも、「今までの環境で頑張ってくれたOBの顔の方が先に思い浮かぶ。何千回、何万回も『芝でやらせてあげたい』と思っていたので、改めてこの環境でやらせてあげたかった」と口にしたことが印象的だった。京都橘高は充実した施設の完成を追い風に、更なるチームの発展、そして今年は昨年果たせなかった全国大会出場を狙いに行く。

(取材・文 森田将義)

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