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[MOM778]関東大学選抜A山崎大地(3年)_超絶美弾、僚友・寺山翼の骨折離脱も力に

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超絶ボレーを決めて喜ぶ山崎大地

[3.10 デンチャレ グループB プレーオフ選抜1-3関東選抜A]

 完璧すぎるゴールに、思わず目を丸くした。前半で2点をリードした関東大学選抜Aは後半14分、左サイドからMF榊原杏太(立正大2年=名古屋U-18)が蹴ったCKをDF山崎大地(順天堂大3年=広島ユース/広島内定)が左足ダイレクトボレーで合わせた。

 ゴールネットに突き刺さった瞬間、3点目のリードを奪った得点とは思えぬほど喜びを爆発。山崎は満面の笑みを浮かべながら、控え選手たちが作るベンチ前の輪の中に飛び込んだ。

「ビックリですよね。あんなシュート初めて。練習でも榊原とああいうシーンを作ろうと話していたので、狙い通りと言えば狙い通り。先制点より盛り上がった?(先制点を決めた相澤)佑哉にも言われましたけど、大地に持っていかれたわ、薄れてるわって」。DFリーダーは、饒舌に超絶美弾を振り返った。

 試合前に目にした人物の来場に、気合を十分にしていた。前日まで合宿を行っていたU-21日本代表の大岩剛監督が会場を訪れていたのだ。2001年1月8日生まれの山崎は、ギリギリでパリ五輪世代。「アピールになったかは分からないけど、やるべきことはやれた」と喜ぶ。

 今季の大学サッカー界で進路が注目されるDFの一人だった山崎だが、早々に古巣への帰還を決めた。「何だかんだ、やっぱり広島がいい」。DF佐々木翔、DF野上結貴にDF荒木隼人、DF住吉ジェラニレショーンやDF今津佑太だって控えるCBのレギュラー争いに勝つことは簡単ではないことは分かっているが、それを理解した上で、また即戦力として戻る決意を固めた。

「鉄壁と言われているけど、大卒で行くので、即戦力が求められるそこに食い込んでいけるようにしたい。そのためにもこういうところで違いをみせないとJ1ではやっていけないし、ラスボスじゃないけど、圧倒出来る存在にならないといけないと思ってます」

 同期入団を決めたDF中野就斗(桐蔭横浜大3年=桐生一高/広島内定)は今選抜でもチームメイトとしてプレーしている。CBでプレーする山崎と、サイドバック、もしくはウイングバックでのプレーを希望する中野とではポジションが異なるが、今後も切磋琢磨していきたい存在だ。

 そんな中野は今季開幕戦で途中出場してJリーグデビュー。“ライバル”に先を越された。「嬉しい反面、悔しい」。今春のキャンプに一緒に参加したが、大学で試合があったために一足早くチームを離れていた山崎は、複雑な思いを素直に明かす。「チャンスがあるか分からないけど、自分は関東リーグで違いを見せていければと思います」。

「プロ入りで満足する選手もいるという話は聞いている。だからまだスタートラインに立ったとも思っていないので、スタメンで出て、活躍するようになってからがスタートだと思っています。キャンプに行ってもスピード感の違いはあったので、そういうのを忘れずに、自分が周りに伝えて、チームのレベルアップと個人のレベルアップに繋げていきたいです」

 この日の勝利で1勝1分としたことで、関東選抜Aは決勝進出への望みを繋いだ。11日に行う関西選抜との直接対決で勝利すれば、逆転で決勝進出を決めることができる。

 チームを団結させる出来事もあった。9日に行った九州選抜との初戦で、前半途中にMF寺山翼(順天堂大3年=FC東京U-18/FC東京内定)が負傷交代。足の指の骨折が判明し、メンバーを外れることになった。ともに順大で1年生から主力を張り、苦楽を共にしてきた僚友の無念の離脱。無念さは誰よりも理解しているつもりだ。

「ツバはFC東京のキャンプもコロナの影響で行けていなかったりして、思い通りにいかない始まりだったので、デンソーカップにかけていたと思う。一番悔しいと思うので、あいつの分もということはチームのみんなが思っている。確かに順大としても痛いけど、自分が怪我でいない時に締めてくれていた。次は自分がやれればいいかなと思います」

(取材・文 児玉幸洋)
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