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[デンチャレ]兄の横浜FMでのゴールは「刺激でしかない」…吉尾虹樹は偉大な先輩たちを追いかけ続ける

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MF吉尾虹樹

[3.10 デンチャレ グループA U-20全日本1-1東海選抜]

 MF吉尾虹樹(こうじゅ、法政大2年=横浜FMユース)は先輩ボランチの2人、そして兄の背中を追いかけ続けていく。

 U-20全日本大学選抜の一員として戦う吉尾は、東海選抜戦では攻撃力を期待されて、シャドーポジションで先発。同世代のタレント軍団が揃う中で、求められる役割をこなした。

 法政大では昨年、不動のボランチコンビの下で勉強の日々を送った。横浜FCに進んだMF田部井涼と川崎フロンターレに進んだMF松井蓮之。「あの2人には敵わない」と感じながら日々の練習をこなしていたという。

 夏に田部井が負傷離脱したこともあり、吉尾にリーグ戦出場のチャンスが回ってきていたが、「あの2人に関してはまずは運動量が凄くて、チームを巻き込む力があった。絶対的な存在という部分で自分に足りなかった」と反省ばかりが残ったと振り返る。

 ただ2人の卒業によって自覚も芽生えている。「2人はチームを勝たせるプレーが出来ていた。自分は上手いプレーが出来てもチームを勝たせることが出来なかった。よく紅白戦でも対戦していたけど、圧倒されながらも学んでやってきたつもりです」。

 もう一つ追いかける背中がある。現在、横浜F・マリノスでプレーするMF吉尾海夏は、2人兄弟の実兄。3歳年上の兄の影響でサッカーを始めたという虹樹は、その後も横浜FMの下部組織に入団するなど、同じ道をたどり続けた。

 高校卒業と同時にトップ昇格を果たした兄は、仙台や町田での武者修行を経て、今季より横浜FMに復帰。そして今月6日の清水戦で待望の横浜FMでの初ゴールを決めた。

 直接話をすることや連絡を取り合うことはめったにないという兄弟で、お互いの活躍もメディアを通して知ることが多く、家族でLINEグループを作っているが、それも「ほとんど動かない」と笑う。サッカーの相談や、一緒にボールを蹴ったこともないと話すなど、珍しい関係性だ。

 しかし虹樹は常に刺激を貰っていると話す。先日のゴール後も連絡は取っていないというが、「嬉しいし凄い。追いかけないといけないし、常に目標です」と改めて想いを明確にしたという。

「一番はプロで活躍することが目標。今は素晴らしい環境でやらせてもらっているので、プロで活躍するための下準備として、常に高い目標を持ちながらやっていきたいと思います」
 
(取材・文 児玉幸洋)
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