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[MOM3772]広島工大高MF藤本乃碧(2年)_キックは「別格」。松木の左足参考に磨いたFKで鮮烈ゴール

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前半21分、広島工大高MF藤本乃碧(8番)が先制ゴールを喜ぶ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.12 中国高校新人大会1回戦 西京高 0-4 広島工大高]

 広島工大高の中国高校新人大会初ゴールは、技巧派レフティーの鮮やかなFKによって生まれた。前半21分、広工大高はMF藤本乃碧(2年=シーガル広島出身)が右中間でFKを獲得。自らキッカーを務めたレフティーは、「自主練でいつもあのコースとか練習しているんで思い切って蹴っただけです」という左足シュートをファー上へ沈めて見せた。

 ゴールを確認した背番号8は、逆サイドのベンチまで駆け寄って大喜び。「蹴る時には深呼吸して落ち着けていたんですけれども、入った時はちょっとめちゃくちゃ嬉しくて」と心境を明かす。

 主将のDF堀晃大(2年)は藤本のキックについて、「本当にキックは別格なんで」と絶賛する。このシーンで堀は、「『(相手選手の)壁、隠した方が良い?』と聞いたけれど、(藤本に)『いらない』と言われました」。藤本は自信を持って蹴り、見事、チームにゴールをもたらした。

 藤本がFKのトレーニングに注力するようになったのは昨夏からなのだという。きっかけは青森山田高のMF松木玖生(現FC東京)が昨夏のインターハイ準決勝・静岡学園高戦で決めた左足FKでのゴール。「総体の全国大会で松木選手のFKを見ていて、それで蹴り始めたので(この日のゴールは)理想的なやつでした。松木選手は同じ左利きなので、蹴り方や、蹴る位置だったり、あとGKとの駆け引きを参考にして」トレーニングしてきた成果をこの日、発揮した。

 藤本は前半32分にも相手のタイミングをズラし、絶妙なスルーパス。俊足左WB野上拓都(2年)へ通して2点目の起点となった。「あれはサイドの野上と1年の時から組んでいて、ここでもったら走ってくれるので理想的でした」と振り返る。

 中国大会の舞台で躍動。高木一宏監督が「藤本はキックでチャンスつくれる選手。判断のところで一瞬でキャンセルできて、隙をついてスルーパスを出せるような選手ですね」と評するレフティーは課題のフィジカル面を強化し、前線でボールを収めてよりチャンスに絡むことを目指している。

 そして、進化を遂げ、「自分の特長はFKやキックの正確性なので、そこを活かしてチームを勝たせること。(中国大会で)1個でも多く勝って、総体でも全国出たいですし、できれば広島で全部の大会で1番を取りたいです」という目標達成に繋げる。
 
(取材・文 吉田太郎)

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