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[MOM782]関東大学選抜B近藤壱成(3年)_出場3試合無失点で優勝に導いた守護神がMVP受賞

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GK近藤壱成

[3.13 デンチャレ決勝 関東選抜B1-0関西選抜]

 MVPは誰だろうかと思いを巡らせた。グループリーグ最終節で決勝に導くゴールと、決勝で優勝を決める決勝弾を決めたMF樋口堅大(順天堂大2年=大津高)が有力か、はたまたプレーオフから勝ち上がり、3位と健闘をみせた東海選抜で得点王となる活躍をみせたFW近藤慶一(名古屋学院大2年=中院大中京高)も候補だろうか。そんな中、閉会式で名前を呼ばれたのは、優勝した関東大学選抜Bの守護神、近藤壱成(法政大3年=磐田U-18)の名前だった。

 言われてみればまったくもって妥当な人選だ。近藤はグループリーグ2試合と決勝の合計3試合に出場。いずれも無失点に抑える完璧なパフォーマンスをみせた。決勝では特に後半、相手の猛攻を受けて防戦一方となう時間帯が続いたが、後半31分のFW木村勇大(関西学院大3年=大阪桐蔭高/京都内定)との1対1を防ぐなど、相手の決定機を次々阻止。この日はたびたびポストやクロスバーも味方し、完封劇に持ち込んでいた。

 MVP級の活躍はしたいと思ってはいたものの、まさか取れるとはという心境らしい。ただ「この大会にかけていた思いは自分の中でかなりあった」とすると、「チームのみんなのハードワークや守備がこの結果が繋がったので、みんなに感謝したいです」と

 近年、ジュビロ磐田U-18出身のゴールキーパーの活躍が目立っている。昨年度の関東大学サッカートーナメント大会のアミノバイタルカップでは、決勝で近藤と一学年上のGK牧野恋音(産業能率大)が対峙。PK戦で決着をつけるドラマチックな名勝負を演じた。

 また今大会でも近藤は初戦でU-20大学選抜に選ばれるGK杉本光希と対戦。その下で桐蔭横浜大に進学した西澤翼も今後、活躍が期待される注目GKの一人だ。

 近藤自身も「先輩後輩にたくさん刺激を貰っている」と意識を十分にする。そして「自分の活躍をほかの選手にみせたいという思いは、すごくある。それが大学での原動力のひとつになっています」と今後も切磋琢磨していきたいと話した。

 大学有力選手の“品評会”とも言える大会。今大会も大会を通じて、約80人のスカウトが連日集結していた。例年、デンチャレで活躍して評価を高め、現在もJリーグや海外で活躍する選手はたくさんいる。

 しかしMVP獲得で将来が確約されたわけでないことは近藤も理解している。「上手く体現できたと思うけど、ここからが始まり」と気を引き締めると、「この1年間でどれだけ活躍できるかというところで、意識してやっていきたいと思います」と更なる成長を誓った。

(取材・文 児玉幸洋)
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