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[MOM3774]岡山学芸館DF井上斗嵩(2年)_劇的白星導いた守備の要。Cチームから諦めずにAの主軸、主将に

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岡山学芸館高CB井上斗嵩主将は大一番で完封勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.13 中国高校新人大会準々決勝 瀬戸内高 0-1 岡山学芸館高]

 DF陣の耐える力が、劇的勝利を引き寄せた。後半アディショナルタイムの決勝点によって勝利した岡山学芸館高CB井上斗嵩主将(2年=ハジャスFC出身)は、「味方たちのビッグセーブや粘り強さが出て、守備陣は頑張ってくれたと思います」と仲間たちに感謝。攻撃的なチームにとって上手く行かない時間帯が続いた前半も、落ち着きを取り戻した後半も、後方の選手たちは諦めることなくゴールを守り抜いた。

 その守備陣の中心となっていたのが井上だ。瀬戸内高は連動した攻撃で背後を狙ってきていたが、井上は1本1本を丁寧に対応。また、競り合いやヘディングでの強さや、難しい体勢でもクリアできる力、味方のサポートやシュートコースを消す動きなど、70分間集中して発揮し続けた。

 決定機を作られていたことは確かだが、GK矢野晃(2年)にも助けられながら無失点。加えて、「僕はクリアを前線へというのが得意なので自信を持ってやっている。両足対角蹴れますし、そういうところはみんな分かってくれているので、僕がどっちの足でも持ったらみんな動いてくれる」と自信を口にしたように、一本のロングキックで決定機を生み出す部分でもチームにプラスアルファをもたらしていた。

 高原良明監督も「井上は安定してきました。球際だったり、その辺はある程度やれる」と信頼するキャプテン。その井上はCチームから這い上がってきた選手だ。「僕は1年生の時にCチームとか下からどんどん上がってきている。去年の夏くらいからAチームにやっと安定して来れるようになって、試合に出て、自信がついてきたからこういう結果に繋がっているかなと思います」と胸を張る。

 入学当初のBチームからCチームへ降格。その際には大きな挫折感を感じたという。「初めてCに落とされた時に、自分(これまでのサッカー人生で)落とされる経験がなかったので。でもまだ1年生の最初だし、諦めたらいけないということで諦めないことを意識しました。Cでも、Bでも、どの練習でも、紅白戦でも上のカテゴリーを倒して、ということをやってきました」と振り返る。それを続けてきたことで鍛えられたDFは、選手権でAチームのポジションを獲得。県予選優勝に貢献し、全国大会も2試合で先発フル出場した。

 そして、新チームの主将。本人は「まだ胸張って(相応しいと)は言えないですけれどもちょっとずつ言えたらなと思います」と語るが、努力のチームリーダーは、同級生や後輩に勇気を与える存在だ。この1年、「安定している、このCBがいたらFWからしたら嫌だと思われたり、味方に安心感を与えられるように、鼓舞していきたい」と意気込む井上が目指すCB、目指すキャプテンへ。そして、岡山学芸館を全国ベスト4以上へ導く。 

(取材・文 吉田太郎)

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