beacon

「あいつを超えるくらい有名に」高校時代は中日・根尾とクラスメイト、京都内定FW木村勇大がプレーに見せた「凄み」

このエントリーをはてなブックマークに追加

関西選抜でキャプテンを務めたFW木村勇大

[3.13 デンチャレ決勝 関東選抜B1-0関西選抜]

 迫力十分にゴールに迫る姿勢は凄みを感じさせた。そして時折みせる相手選手とコミュニケーションを取りながらのプレーには、余裕も感じさせた。「ここで満足するわけにはいかない」。FW木村勇大(関西学院大3年=大阪桐蔭高/京都内定)は大学生同士の試合の中で、明らかなレベルの高さを示していた。

 しかし主将として臨んだ今大会だったが、自身は無得点。チームもあと一歩で優勝を逃した。木村も「もちろん準優勝は悔しいし、僕は自分のゴールが一番嬉しいので、そこに関しては残念でした」と唇を噛みしめる。

「今大会はチームのためにキャプテンとして両立しながらやっていたけど、今日(決勝)は自分のゴールに比重を置いてやろうと思った。そういうゴールへの気迫を感じてもらえたのはよかったです。キャプテンを任されるのも初めてだったので、そういう面では人間的にも成長できた大会だったのかなと思います」

 木村は23シーズンの加入を決め、特別指定選手として参加する京都サンガF.C.で、2月19日の浦和戦に出場してJ1リーグデビュー。先発した同23日のルヴァンカップ柏戦では、初得点も記録するなど、正式入団を前に強烈なインパクトを残している。

 京都でプレーしたことで、プレーに対する基準が高まったという。「これから五輪代表に入って行かないといけないし、Jで活躍することを基準にしないといけない。目指す基準が京都に行ったことで変わった。目指すべき場所が明確になったことがプレーで表せているんだと思います」。

 神戸のジュニアユース出身だが、ユース昇格を逃したことで、大阪桐蔭高に進学。もともと技術には自信があったようだが、高校に進学すると身長が10cm以上伸びるなど、身体能力が高まったことで、プレースタイルに幅を広げることができたという。高3時にはプリンスリーグ関西で得点王を獲得。関西の名門大に進むチャンスを掴んだ。

 また高校時代は同級生に常に刺激を貰っていた。同級生となった野球部は甲子園で春夏連覇の偉業を達成。藤原恭大(ロッテ)や根尾昂(中日)がドラフト1巡目でプロ野球の世界に進むなど、高卒で4人のプロ野球選手を輩出した。

 特に根尾はクラスメイトとして身近に接していた。クラスは入学時に行った学力テストの結果で、一番勉強の出来るクラスに振り分けられた。ちなみに同じクラスには吹奏楽部が多く、サッカー部は木村を含め5、6人、野球部は2人だけで、そして現状プロになるのは根尾と木村だけだという。

「高校時代からあいつ(根尾)は意識が高かった。いつもメディアであったりの注目が集まっていた中でやっていた。自分は全然注目されない存在だったので、羨ましいというか、悔しい気持ちが凄くあった。大学であいつを超えるくらい有名になって、自分もプロに行きたいという目線でやってきました」

 大学ラストシーズンを前にプロ入りを決めた木村だが、チームの方針で基本的には大学での試合を優先することになるという。「必然的に大学でプレーする時間が長くなる。そこは圧倒的なプレーももちろんですし、チームとしても去年に引き続いて優勝したい。自分が大学サッカーを引っ張るような圧倒的な活躍を、まずは関西でしないといけないと思っています」。得点王は必須条件。今の木村にとっては、決して高いハードルではないはずだ。
 
(取材・文 児玉幸洋)
●第36回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会特集

TOP