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シドニーは大雨予報も久保建英「雨が降ったくらいでドリブルがズレていたらサッカーはやってられない」

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日本代表MF久保建英(マジョルカ)

 カタールW杯出場権がかかる最終予選オーストラリア戦前日の23日、日本代表MF久保建英(マジョルカ)がオンライン取材に応じ、「次の試合でW杯出場が決まるかもしれないという事実がある中で、あと一日大事な前日練習があるので、チームとして最高のパフォーマンスが発揮できるようにいい準備ができれば」と意気込みを語った。

 オーストラリア戦は勝てばW杯出場決定、負ければW杯出場圏外の3位転落という大一番。「前回と今回で相手も日本も置かれている状況が違う。前回の戦いを参考にするというより、全く違う戦いになる」と展望を語った久保は「後がない状況なので入りも厳しいものになると思うし、90分間持たそうというより、特に相手はギアを上げてくる。何回か僕も相手のサポーター含めて難しいアウェーを経験しているが、それ以上のものが待っていると思う」と厳しい戦いを想定した。

 開催地のシドニーは23日の前日練習、24日の試合日ともに大雨の予報。会場のスタジアム・オーストラリアでは直前にラグビーの公式戦も行われており、ピッチコンディションが懸念されている。

 そうした中、雨中の試合について報道陣に問われた久保は「雨の試合は嫌い。あまり楽しくない。雨だとグラウンドがぐちゃぐちゃになって、どうしてもロングボールが多くなったり、お互いに目指しているサッカーができない」と率直な心境を吐露。「どうせ代表の試合をするなら最高のコンディションでやりたい」という願望も口にした。

 それでも試合に目を向ければ「天候は僕が望むところではないいので、しっかり自分たちの試合に集中して頑張りたい」ときっぱり。雨の中でも自信の強みを出すべく、「基本的に雨が降ってもドリブルには自信を持っているし、雨が降ったくらいでドリブルがズレていたらサッカーはやってられない。そこができないようなグラウンドなら試合中断とかあるかもしれないし、そこまで雨が降ったからといってやることは変わらない」と力強く語った。

 環境を言い訳にしない姿勢はFW大迫勇也(神戸)、DF酒井宏樹(浦和)不在のチーム状況への言及にも表れていた。「大迫選手、酒井選手がいないのはあるけど、基本的に『誰が出ても』とチームとして掲げている中で、いない選手の話をしてもしょうがない。大迫選手がいないとか言うと、FWでしのぎを削っている上田(綺世)選手、林(大地)選手に変なプレッシャーを与えてしまう」。そう報道陣の質問をかわしつつ、「いまいる選手で頑張らないといけない。僕としては一緒に出るチャンスがあれば彼らはFWなので点を取って勝ってくれたらいいし、できる限りのサポートをしたい」と代役出場が見込まれる上田、林との連係に自信を示した。

 所属クラブでは2022年に入り、10試合連続での先発出場が続いていた久保。「個人としては結果がついてきていないので全然満足はしていないけど、チャンスは与えられている中で代表戦に来られることはポジティブに捉えている」と“試合感”には問題なさそうだ。

 またW杯出場がかかる決戦ムードは、日々所属クラブで大一番をこなしている選手にとっての日常。「リーグ戦終盤で1試合1試合で大事じゃない試合がない。いい緊張感でやれている選手が多い。そのままの気持ち、コンディションで明日の試合に持って行けたら。代表に限って言えばこれがゴールじゃない。このあと先にある中での次につながる試合。次につなげられるようにみんなで意識したい」。目指す先は本大会。久保建英は静かに闘志を燃やし、オーストラリアとの決戦に臨む。

(取材・文 竹内達也)
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