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早くも本大会を見据えるキャプテン吉田麻也「予選と本戦で選手は替わる」

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キャプテンとしてチームを引っ張ったDF吉田麻也

[3.24 W杯最終予選 日本2-0オーストラリア シドニー]

 オーストラリアを相手に2-0で勝利した瞬間、日本代表DF吉田麻也(サンプドリア)は安堵の笑顔を浮かべた。

「まずはノルマだったカタールまでの切符を手にできたことが良かった。予選を通してスケジュールがタフだった中でパフォーマンスを出さないといけなかったけど、その中でなんとか(出場権を)勝ち取れて良かった」

 キャプテンは「ホッとしている」と胸をなで下ろした。最終予選では初戦のオマーン戦で0-1とまさかの黒星スタート。第2戦の中国戦は1-0で勝ち点3を手にしたが、第3戦のサウジアラビア戦に0-1で敗れ、3試合終了時点で1勝2敗という苦境に立たされた。計り知れないプレッシャーがあった。

「一番厳しかったのは、オマーンに負けたときと、その後に(第4戦で)オーストラリアに勝たないといけなかったとき」。そう語ったうえで、「元をたどると、オマーンに負けたことが尾を引いてしまった」と反省する。

「そこでつまずいてなかったら、仮にサウジに負けたとしても追い込まれなかった。それを取り返すために追い込まれた状況になって必死に闘った」。終わってみれば6連勝でW杯出場を決めたが、オマーンとの第1戦への入り方は本大会のグループリーグ初戦に向けての教訓になるに違いない。

 今後に向けては「また一からカタール(W杯)に向けての準備が始まる」と言い、表情を引き締めた。「過去を見ても、予選を戦った選手と本戦を戦った選手は替わる。一からまたポジション争いがある」と考えるからだ。

 29日にホームで行われるベトナムとの最終戦は、今回のオーストラリア戦に出場しなかった選手が多く起用される可能性がある。さらに今後、6月に予定されている国際親善試合に向けては「何かを試せる最後の試合になりそう」という。「プレッシャーから解き放たれたのは一瞬」。吉田は苦笑いしながら、早くも本大会への準備に意識を向けた。

(文 矢内由美子)

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