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[船橋招待U-18大会]前半は帝京長岡。後半は市立船橋。強豪同士の攻め合いは石鉢真斗の決勝弾で帝京長岡に軍配!

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帝京長岡高はMF石鉢真斗の決勝弾で市立船橋高を撃破!

[3.27 船橋招待U-18大会 市立船橋高 0-1 帝京長岡高]

「前半は自分たちの形でバスを回したりできたんですけど、後半は相手が前から来て、上手い形でボールを回せなかったので、そこは改善点だと思います」。50分間(25分ハーフ)で唯一のゴールを叩き出した帝京長岡のボランチ、MF石鉢真斗(新3年)の言葉が、この試合の趨勢を過不足なく表わしている。

 前半は帝京長岡高(新潟)。後半は市立船橋高(千葉)。強豪同士がペースを奪い合った好ゲームは、前半にセットプレーから石鉢が挙げた1点を帝京長岡が守り切り、ウノゼロでの勝利を手繰り寄せている。

 まずは帝京長岡がフルスロットルで立ち上がった。チームに推進力を生み出したのは、左サイドに張り出したFW松山北斗(新3年)。ボールが入れば、縦への勝負を繰り返し、相手の重心を押し下げていく。

 最前線ではFW土門遥斗(新3年)が果敢にボールを収め、少し下がり目からFW堀颯汰(新2年)と右サイドハーフのU-17日本代表候補MF廣井蘭人(新3年)が巧みにサポート。攻撃にテンポをもたらしながら、押し込む時間を作っていった。

 前半15分には戦線復帰したばかりの新キャプテン、DF桑原航太(新3年)が右サイドバックの位置から果敢にオーバーラップ。そのまま放ったシュートはDFに当たって枠の左へ外れたものの、直後のCKがゴールを呼び込む。廣井のキックが中央にこぼれると、いち早く反応した石鉢がボールをゴールネットへ流し込む。

「味方が上手くヘディングしてくれて、こぼれてきたのをあとは決めるだけだったので、上手くフリーになれて良かったです」と笑ったボランチが得点感覚を発揮。攻勢そのままに帝京長岡が1点をリードして、前半の25分間は終了する。

 後半は一転して、交代で投入された2人のハードワーカーが市立船橋に活力を与える。1人は前線に送り込まれたMF丸山侑吾(新3年)、もう1人は右サイドハーフを務めるMF高橋悠真(新3年)。“頑張れる”アタッカーが流れを反転させる。

 後半4分にはビッグチャンス。相手DFラインの裏へ飛び出した丸山は、GKをかわしながら中央へ。MF太田隼剛(新2年)が残したボールを、FWイジェンバ・リチャード(新3年)がシュートまで持ち込むも、軌道は枠の左へ。7分には帝京長岡も左から松山が枠内シュートを放つと、ここは市立船橋の新キャプテンでもあるGKドゥーリー大河(新3年)がきっちり凌ぎ、詰めたDF大川風磨(新2年)のシュートも、DFが寄せて枠外へと弾き出す。

 12分も市立船橋。左サイドから持ち運んだ丸山のシュートは、帝京長岡のCB坪田悠一郎(新2年)が素早く寄せてブロック。15分も市立船橋。左サイドを切り裂いたイジェンバのクロスから、中央で太田がキレのあるフェイントでマーカーを剥がすも、利き足とは逆の右足で打ち切ったシュートは、枠の右へ外れてしまう。

 19分も市立船橋。今度は右サイドからドリブルで切れ込んだ丸山のシュートは、U-17日本高校選抜合宿から帰ってきた帝京長岡GK佐藤安悟(新3年)が圧巻のファインセーブ。20分も市立船橋。イジェンバが左サイドを切り裂き、そのまま狙ったシュートは枠の右へ。どうしても1点が入らない。

 結果は、そのまま1-0で帝京長岡が勝利。「本当に決定力がないなというのは印象に残っていて、戦えていないわけではなくて、逆に自分たちの方が攻めていたり、勝てるような展開が多かったと思うんですけど、最後に決め切れなくてカウンターでピンチになって失点することも多かったので、やっぱり決定力を伸ばしていけば、もっとどのチームにも通用すると思います」とはドゥーリー。十分に攻撃の形を作った市立船橋にとっては、悔しい敗戦となった。

 一方の帝京長岡は「後半は相手が前から来ていることで、自分たちでパスを回すことができなくなってしまって、前に蹴るシーンが多くなってしまったので、相手のペースに持っていかれたかなと思います」と石鉢も話したように、後半はなかなか前進することができず、防戦一方になってしまったことは反省材料だろう。

 だが、谷口哲朗総監督も「確実に良くなってきていますよ」と期待を寄せる坪田とDF森健太朗(新2年)のCBコンビを中心に、最後まで粘り強く相手のアタックに食らい付き、無失点での勝利を引き寄せたのは大きな収穫。持ち味の攻撃的なスタイルに、強豪相手にも対抗できる守備での強度もさらに加えるべく、帝京長岡のチャレンジは続いていく。

(取材・文 土屋雅史)

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