[3.27 船橋招待U-18大会 京都橘高 1-1 東福岡高]

　プロ入りした前主将の言葉を胸に新シーズンを戦う。関西の強豪・京都橘高の新主将にGK田中萌誠(新3年=Vervento京都F.C.出身)が就任。昨年からゴールを守る新リーダーは、リードされていたり、なかなかシュートが入らないような状況などで「どれだけ自分が盛り上げられるか」に取り組んでいく。

「どれだけ後ろからみんなの背中を押せるか。それは試合中だけじゃなくて、普段からサッカーの姿勢だったりで出て来ると思うので、普段からみんなの背中を押していけるようにしたい」。安定感高く、シュートセーバーとしても注目の田中だが、コーチングや仲間の背中を押す声でもチームを勝たせる。　

　今年こだわることは「逃げない」ということ。「去年はちょっと嫌なところから逃げていたり、走りもタイムに間に合わなかったり、キツイ時に踏ん張れなかったので、今年は立場もあるし、嫌なことから逃げずに、良いことか悪いことか迷ったら嫌な方を選んで苦しい時でもやり切れる力を身に着けていきたい」と言い切った。主将として信頼されるように困難から逃げずに乗り越えていく。

　前主将で浦和レッズへ進んだFW木原励からもらった言葉は胸に。「『やっぱり全部の責任はキャプテンにあるし、ツライことが多いけれど、みんなには辛い顔を見せずに格好良い背中であれ、引っ張る存在であれ』という言葉を掛けてもらいました」。同時に伝えられたのは「気負い過ぎない」ということ。「(丸山)大輝や上西(剛史)、幕内(実)とかチームの士気を上げてくれる選手がたくさんいるので助かっています」と語る田中は、仲間の助けも借りながら、チームを良い方向へ導く考えだ。

　田中は「今年、GKのキャプテンが多くいるなと思うんです」という。市立船橋高GKドゥーリー大河主将(新3年)や東福岡高GK須田純弥主将(新3年)ら強豪校のリーダーを務めるGKには、特に負けられないという思いがある。「(GKのリーダーは)声を出していたり、大事なところで止めていたりするので、信頼を大事にしてやっていきたいですね」。守護神として、リーダーとして、逃げずに後方からチームを後押し。そして、仲間たちと多くの白星を勝ち取る。

(取材・文　吉田太郎)