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幻のゴールと幻のアシスト…田中碧「30分間でやれることはやれたのかな」

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MF田中碧のゴールは幻に…

[3.29 W杯アジア最終予選 日本1-1ベトナム 埼玉]

 決まっていれば昨年10月12日のオーストラリア戦(○2-1)に続く殊勲の一撃だったが、惜しくも幻のゴールとなってしまった。埼玉スタジアムにベトナムを迎えた最終予選の締めくくり。1-1で迎えた後半25分、日本代表MF田中碧(デュッセルドルフ)のシュートはゴールネットを揺らしたものの、VARが介入。音声で交信を続けていた主審はオンフィールドレビューを実施して自ら映像確認を行ったあと、最終的にMF南野拓実のハンドを取り、ゴールを取り消した。

 試合後、取材に応じた田中は「僕は分からなかったけど、終わってから見たら(南野)拓実くんに当たっていた。しょうがないです」と言い、さばさばとした表情で現実を受け止めた。

 振り返れば、幻のゴールのあとに幻のアシストもあった。残り時間がなくなっていた後半43分、DF山根視来が放り込んだボールを田中が頭で落とし、FW上田綺世がゴールネットを揺らしたが、こちらは田中のポジションがオフサイドだった。

「オフサイドのシーンとハンドのシーンで2点取れてはいるので、自分と守田くんが入った30分間でやれることはやれたのかなと思う。自分が入った価値を少し出せたのかなと思う」。そう振り返ったように、最終予選で示した成長の一端を見せることができたという手応えはある。ただし、一方ではW杯の道を断たれて完全な消化試合となっていたベトナムにホームで1-1の引き分けという事実が悔やまれる。

「日の丸を背負って戦う以上、誇りと責任を持つ中で、どんな相手であれ、勝たないといけない。悔しい気持ちと申し訳ない気持ちがある」と言葉を噛みしめながら、本大会までの約8か月間でさらなる成長が必要と実感していたようだった。

(取材・文 矢内由美子)
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