beacon

ベトナムだけが大声援…もどかしさ語った吉田麻也「規制緩和も次のステップなんじゃないか」

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF吉田麻也(サンプドリア)

[3.29 W杯最終予選 日本1-1ベトナム 埼玉]

 ベトナムをホームに迎えたカタールW杯アジア最終予選最終節。日本代表のホーム埼玉スタジアム2002は、まるでアウェーのような空気に包まれていた。

 新型コロナウイルス感染防止に伴うイベント開催制限により、サポーターの声出し行為は禁止されている中、この日のベトナムサポーターは大声で自国チームを鼓舞。場内に日本語や英語で注意喚起のメッセージが放送されたものの、日本戦通算5試合目で史上初の勝ち点1を奪ったチームへの大声援は試合終了後まで鳴り止まなかった。

 試合後、報道陣のオンライン取材でこの問題に言及したのはDF吉田麻也(サンプドリア)。かねてより日本のスタジアム規制の厳しさに声をあげていた主将ゆえ、日本サポーターが声を出せないにもかかわらず、対戦国のサポーターが相手チームに活力を与えている状況に、複雑な思いでプレーをしていたようだ。

「まず日本人はちゃんとルール守るなあと思いました。ベトナムの方々が声が出ていて、なんとか宥めたかったし、場内放送でも流していたけど……」。

 そう言葉を選びながら切り出した吉田は「最後のセレモニーでも観客に言及したいと思っていた」というが、スタジアムの空気感や1-1のドローという結果を受けてW杯出場決定セレモニーでの発言は回避。それでも取材対応の場で、あるべきスタジアムの姿を語った。

「ただずっと思っているけど、ヨーロッパとかアメリカ、南米、オーストラリア、アフリカネーションズカップでもそうなっているし、しっかり3回ワクチン接種して、陰性証明を出しての入場なら、規制を緩和するのも次のステップなんじゃないかなと思っている」。ベトナムサポーターの行為を踏まえて「そうは言ってもルールを守ってからの次のステップなので」ともどかしさをのぞかせつつも、声援のあるスタジアムでのプレーを望んでいた。

(取材・文 竹内達也)
●カタールW杯アジア最終予選特集
●カタールW杯各大会予選一覧
●2022W杯カタール大会特集ページ

TOP