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U-21日本代表が初タイトル「覚悟を決めるための良い期間になった」、チェイス・アンリ、藤田譲瑠チマ、細谷真大が振り返る

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喜びを表すU-21日本代表

[3.29 ドバイ杯U-23順位決定戦 U-21日本 1-0 U-23サウジアラビア ドバイ]

 U-21日本代表は29日の順位決定戦でU-23サウジアラビア代表と対戦。2連勝同士の決勝を1-0で制し、大岩剛監督体制で初タイトルを手にした。チームは表彰式終了後に即帰国という弾丸スケジュール。日本サッカー協会を通じ、DFチェイス・アンリ(尚志高)、MF藤田譲瑠チマ(横浜FM)、FW細谷真大(柏)がコメントを寄せた。

 今月発足の大岩監督体制にとって初の国際大会。年代別代表の経験者もコロナ禍で2年以上も海外遠征を行っておらず、海外のレベルはもちろん、過密日程や現地の環境といった過酷な体験を経て、今大会は大きな実りとなった。

 試合内容でもたしかな成長が見られた。23日の初戦・U-23クロアチア代表戦では現地到着から時間もなく、環境の違いに戸惑いながらもFW小田裕太郎(神戸)のゴールで接戦を制す。26日の第2戦・U-23カタール代表戦では、徐々にチームが噛み合い、MF斉藤光毅(ロンメル)とMF山本理仁(東京V)の得点で2-0と連勝を果たした。

 チームは小田が負傷により途中離脱し、またDF木村誠二(山形)、DF半田陸(山形)、MF松木玖生(FC東京)、MF甲田英將(名古屋)、FW藤尾翔太(徳島)はクラブ事情により第2戦後に帰国。大会を進むごとにメンバー編成が変わるという“A代表さながら”な戦いの中、第3戦ではGK佐々木雅士(柏)とアンリが初出場となり、招集25名全員が実戦を経験することができた。

 アンリは第3戦でフル出場。今大会で18歳の誕生日を迎えた“飛び級”の逸材は「今回が初めての海外遠征になりました。最初の2試合に出れなかったことは悔しかったですし、練習でもうまくいかない時もありましたが、最後の試合で出場して、決勝を無失点で終わることができてよかったです」と振り返った。

 高いレベルでプレーをする周囲の選手から多くを吸収したようだ。「今日の試合でコンビを組んだ西尾選手にも色々と声をかけられて、そのおかげで自分の守備力が上がったと思いますし、個人で守るだけでは守りきれないので、やはりあらためて組織として守らないといけないなと感じた部分では成長につながったと思います」。年明けの選手権終了後は、A代表を含めてさまざまな代表活動に参加。今後の加速度的な成長に期待がかかる。

 藤田は第1戦と第3戦でキャプテンマークを巻き、フル出場。第2戦はベンチスタートながらも後半31分からプレーし、チームを牽引する立場で連勝に導いた。「今後控える公式戦でも身体能力の高い選手と戦うことになるので、そこに関してこのドバイカップはすごくいい準備、経験になりました。自分たちが覚悟を決めるための良い期間になったと思います」。

 横浜F・マリノスでポジション争いをしながら、大岩監督が掲げる“A代表経由のパリ五輪行き”を目指す。「自分たちのサッカーをする時間をもう少し増やすことができればいい内容の試合ができたというところは反省点で、そこは所属チームで技術を磨いたり、身体能力を高めたり、次の活動までに取り組みたいと思います」。J1リーグでのさらなる活躍を誓った。

 直近のリーグ戦に出場した影響もあり、細谷は第2戦からフル稼働。第2戦のカタール戦では鋭いクロスで斉藤の先制点をアシストし、第3戦では強烈なヘディングシュートで優勝を決定づけた。

 細谷は第3戦・サウジアラビア戦での得点について「今日のゴールは、これまでもセットプレーの練習には時間をかけて取り組んできて、ドバイカップの最後の試合でセットプレーから点が取れたというのはチームとして本当に大きいと思います」と振り返る。今大会は代表全体のセットプレー担当コーチである菅原大介氏も帯同。日本の新たな武器がその威力を発揮した。

 後半42分まで走り切った細谷は「ゲーム全体としては、立ち上がりは良かったのですが、後半に入って徐々に足も止まってきて、相手の攻勢を凌ぐ形になってしまいました」と語る。最前線で相手GKにプレスを仕掛け、ボールをカットするなど守備面でも大きく貢献。「それでも3試合無失点というのはいい結果だったと思います」と手応えも口にした。

 山本の右CKをヘディングシュートで仕留めた細谷。柏で躍動する20歳は意外な事実もポロリ。「セットプレーでゴールを決めたのがプロになってから初めてで、素直に嬉しかったです」と喜びを伝えている。

▼ドバイカップU-23 2022特集ページ

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