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タフなリーグ戦によって「凄く成長できる1年」に。プレミア復帰の静岡学園が大津に4-0快勝!

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静岡学園高MF西井大翔は2ゴールの活躍

[4.3 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 大津高 0-4 静岡学園高 大津町運動公園球技場]

 3日、高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2022 WESTが開幕を迎え、昨季4位の{{c|大津高)}(熊本)と2013年以来のプレミア復帰となった静岡学園高(静岡)が対戦。MF西井大翔(3年)の2ゴールを含め、4点を奪った静岡学園が大勝した。

 静岡学園の新チームは県の新人戦が打ち切りになるなど、コロナ禍で思い通りの活動は出来ず、プレミア開幕を控えた3月に実戦経験を積めたのは一週間前の船橋招待大会のみ。川口修監督はこう話す。「90分ゲームをやったのは今日が初めてで、ぶっつけ本番。守備のところや攻撃の形、崩す形がどうなるのかなと思っていました。もちろんゲームなので勝ちたいけど、勝ちたい気持ちは今回無しにして、何が出来て何が出来ないのかを分かるために、積極的にやって課題を見つけようと選手に話した」。

 守備面で課題が見えたものの終わってみれば、4ゴール。川口監督が「チャンスを(作っても決定機を)潰すのが“ウチらしさ”。そこを4点決め切れたのは良かった」と笑みを浮かべた展開を牽引したのは、10番を背負ったMF高橋隆大(3年)だ。

 最初の見せ場は前半7分。「序盤は動き硬かったので、自分のところにボールが来たら、とりあえず一発チャンスを作ろうと意識していた」高橋は、後方から出た西井のパスを右サイドで受けるとタメから、前方にパスを出した。

 PA右へ走り込んで受けた西井に対するDFの寄せがないと判断すると、「打て打て!ゴールに行け!」と指示。高橋の声を聞いて、思い切りよく打った西井のシュートがゴールに吸い込まれた。

 コーチングの意図について、高橋はこう明かす。「あの角度はGKがクロスを読みがち。パッと見てシュートコースが空いているなと思った。クロスを合わせられないで悔やむなら、1発目は外してもシュートで終わり、ナイスと言って終わりたかった」。

 幸先良く先制した静岡学園だったが、そこからはピンチが続いた。15分にはロングボールをDF裏に入れられ、FW山川柊(3年)にGKの股を射抜かれたが、カバーに入ったDF行徳瑛(3年)がクリア。24分には、CKから打たれたFW小林俊瑛(3年)のヘディングシュートがゴール前でこぼれたところを押し込まれたが、ファール判定となり、失点を回避した。

 苦しい時間帯を凌いだ静岡学園に2度目のチャンスが訪れたのは45+1分。右サイドを抜け出した高橋のクロスをMF寺裏剣(3年)が頭で合わせて、2点目をマーク。後半22分には行徳のロングフィードが大津DFのミスを生み、高い位置で奪った西井がGKをかわして、突き放した。34分にも高橋の右CKから、DF森下蒼大(3年)がボレーシュートを決めて、勝負あり。4-0で静岡学園がプレミア復帰戦を飾った。

「プレミアの舞台でやることが選手の成長に繋がるので、ずっと上がらなければダメだと思っていた」。そう話すのは川口監督。この日は攻撃面で収穫を見つける一方で、攻守の切り替えの速さや球際など守備面では昨年のレベルに達していない場面が目立ち、課題となった。そうした課題に春先から気付き、克服していけるのはレベルが高い相手と対戦できるプレミアだからこその価値と言えるだろう。

 注目度もこれまで以上に高まる。「プレミアでやれるのは凄く楽しみで仕方なかった。上のリーグでプレーして、自分がやれるというのを証明できれば、自分の評価も更に上がる」と口にするのは3アシストした高橋だ。彼はこう続ける。「一年の最後に上げていけば良いという考えではなく、この段階から結果を出していくのが大事。年間を通して結果を出し続けられる選手になりたい。プレミアでやれる今年は1年と2年の時よりも、凄く成長できる1年だと思っている」。次戦以降はより厳しい戦いが待ち構えるが、チーム全員がそうした戦いをずっと待っていた。今年の静岡学園はタフなゲームを乗り越え、例年以上に逞しく成長していくはずだ。

(取材・文 森田将義)
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