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指揮官は「喋る力」を称賛。清水桜が丘の静岡県選抜左SB石川瑠紀は声で仲間を巻き込む

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清水桜が丘高の片瀬晴城監督が「喋る力」を評価した静岡県選抜左SB石川瑠紀

[4.16 高円宮杯プリンスリーグ東海第3節 富士市立高 0-1 清水桜が丘高 富士市立高G]

 清水桜が丘高の片瀬晴城監督は1-0で勝利した試合後、左SB石川瑠紀(3年=清水エスパルスSS静岡出身)にマン・オブ・ザ・マッチ級の評価を与えていた。本人は特長の攻撃参加や左足クロスを十分に出せなかったことで不満の表情。だが、清水東高時代にボランチとして選手権制覇を成し遂げている指揮官は、「(石川は)ずっと喋っている。“ハニカミ軍団”の中で『オマエ、喋られなくなったら終わるからな』と。オレにとって、喋ってくれることは凄く大事なことで、喋れることはチームにとって凄くプラスになる」と称賛していた。

 石川は唯一の昨年からのレギュラーで、静岡県高校選抜にも名を連ねる実力者。3月の静岡県ヤングサッカーフェスティバルの日本高校選抜戦では、短い出場時間ながらもその推進力と高精度クロスで存在感を放ち、ピンポイントクロスでMF齋藤晴(JFAアカデミー福島U-18)のゴールをアシストしている。片瀬監督はその能力の高さ以上に、チームのために声を出す姿勢を評価していた。

 その言葉に対し、石川は「今、最後の学年で、自分が引っ張っていかないと勝てないと思っているので、自分が率先して声を出して行くことによって、チームのやることがはっきりしたり、チームの勝利に繋がって行くので、これからもやっていきたい」と力を込める。

 昨年も左足クロスやくさびのパスで存在感を示していたが、細かな指示や鼓舞する声は先輩に任せてしまっていた。ただし、「今年は自分が責任を背負ってやりたい」ときっぱり。声でも、プレー面でも勝利に貢献することを誓った。

「(今日は)チームとして勝てたのは良かったけれど、個人としては悔しい。もっとチームの勝利に貢献して……。攻撃面では自分の得意の左足を活かすこと。守備では最後、監督も言われている粘り強くやることはもっとやっていかないといけないと思います」

 元々はFWで高校1年時に左SBへコンバートされた。苦手だったという守備を改善した石川は、強みの攻撃力を発揮してレギュラー、県選抜へと駆け上がった。今年の世代については「CBも身体能力高くて、SHも足速くて、前も得点できる。もっと試合で出せれば(全国も)行けると思う。(ただし、)消極的な子が多いので、もっと。自分が引っ張って、付いてくる人が付いて行けるように、もっともっと声を出して引っ張っていきたい」。片瀬監督も評価した「喋る力」を練習からより発揮し、仲間たちを巻き込んで、指示や指摘し合えるチームに。そして、対戦相手に細部で差をつけて、全員で勝利を喜ぶ。
 
(取材・文 吉田太郎)
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