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[MOM3800]FC東京U-18 FW熊田直紀(3年)_ファインゴールも“当然のように”決める左足で3発!

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前半33分、FC東京U-18FW熊田直紀が左足でこの日1点目のゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.17 高円宮杯プレミアリーグEAST第3節 FC東京U-18 4-3 前橋育英高 東京ガス武蔵野苑多目的グランド]

 それまでの2度の同点弾はファインゴールにも笑顔を見せず、チームを引き締める声。ただし、後半45+1分の左足PKによる3得点目は特別だったようだ。「めっちゃ嬉しかった」ゴールは白星へ大きく、大きく近づく決勝点。FC東京U-18の勝利を一番に考えるレフティーストライカー、FW熊田直紀(3年=FC東京U-15むさし出身)は笑顔の仲間たちの中で喜びを爆発させていた。

 難易度の高そうなシュートを“当然のように”ゴールへ。得点を決める才能を見せつける3発だった。0-1の前半33分、FW田口輝一(3年)の落としをPA外から1タッチの左足シュート。チームに歓喜をもたらすと、再びリードされて迎えた後半6分にはMF松本愛己(3年)のグラウンダークロスを再びダイレクトの左足シュートで決めた。

 いずれも、決定機と言えるシーンではなかった印象だ。それでも、注目の大型レフティーは、“当然のように”左足シュートでゴールを陥れた。「1点目はしっかりインパクトして決められたので良かったけれど、2点目は(田口)輝一選手がニアで潰れてくれて、オレがファーでフリーになって決めれたので、あれは練習の成果だったと思います。(決して難しいシュートではなく、)あれは決めないと逆にいけないと思います」と振り返った。

 トップチームのルヴァン杯・湘南戦(4月13日)でトップチームデビュー。「トップは技術が高いということを痛感しました」。U-18チームに戻ってきた熊田は、どんなボールでも常に収められることを目指している。この日の前半はロストもあり、不満の内容。左上へ決め切ったPKを含む3得点についても、「まだ決めれたシーンがあったので、惜しいというシーンをなくしていきたい」とより1本で仕留められる選手になることを誓っていた。

 1、2点目のゴールを決めても厳しい表情を変えず、チームを引き締めていた理由は、「点決めても、このチームは慢心というか、切り替えることができなくて失点とかある。切り替えられるように声を掛けていました」。2学年年下のMF佐藤龍之介(1年)は先輩レフティーの優しさと厳しさから学んでいることを説明していたが、熊田はチームの白星のため、また後輩のことを考え、「1年生とか年下がやりやすい環境を作っていく」ために厳しい態度を取ることができる選手でもある。

 普段、熊田はあまり前に出るタイプではないようだが、「試合になったら(リーダーシップを)出していきたい」。目の前の試合で勝つことへのこだわりはチームメートたち以上に強い。強烈で繊細な左足と、非凡な得点感覚、そして登録183cm、79kgのサイズ。今季のリーグ戦得点数を4へ伸ばした背番号9がチームの白星のため、目標の得点王のために、ゴールを量産する。

(取材・文 吉田太郎)
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