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「DFからしたら怖くない」関東大学選抜MF田村蒼生、チャンスメーカーから自ら得点を奪うプレーヤーに

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MF田村蒼生(左)

[4.27 練習試合 U-19日本代表候補 2-5 関東大学選抜]

 MF田村蒼生(筑波大2年)も実力をみせつけた。関東大学選抜の左MFで先発した田村は開始4分、波状攻撃に詰めて豪快にゴールネットを揺らし、先制点を奪う。このゴールで勢いづいた関東大学選抜は、終始試合を優位に運んだ。

「相手は自分たちの1個下なので負けてられないな、プロがいるけど、大学の力を見せてやろうと思いました。(ゴールシーンについては)今年に入って振り抜くことを意識している。それが一つの形になったのかなと思います」

 今季はよりゴールを目指すことを意識しているという。今年の筑波大はFW森海渡が4年生を前に柏レイソルに入団するために退部。大きな得点源を失った状態で開幕を迎えている。その大きな穴をみんなでカバーし合うことが、今季の筑波大には求められている。

 柏U-18の先輩でもある森の退部は、田村にも大きな意識の変化をもたらしている。高校時代まではチャンスメイクを意識してプレー、自身の特長もチャンスメイクにあると思ってプレーしていたというが、「DFからしたらチャンスメイクされるよりゴールを奪われることが怖い」と抜本的な意識改革に着手。「シュートを打てば何かが起こる。振り抜くのが大事」ととにかく自ら得点を奪うことに意識を向けるようにしている。

「森さんがいなくなって、正直大きい得点力を失った。カバーして行かないといけないし、次は自分がというところはあります」

 1学年下の世代の代表とはいえ、代表スタッフが見守る前での活躍は、代表は「意識し過ぎず意識していきたい」存在だという田村にとっても意味のあるものになった。ただ、あくまでもチームで結果を残すことが、代表活動に繋がるという意識を持ち続けたいとも強調する。

 ただ19年U-17ワールドカップでともに戦ったDF中野伸哉や、柏U-18の後輩でもあるDF田中隼人が、この日の対戦相手として日の丸を背負ってプレー。プロの世界ではルヴァンカップで後輩の升掛友護が現在得点王の活躍をみせるなど、田村を奮い立たせてくれる存在がいる。「刺激を与えられる存在にならないといけない。ライバル視しているし、お互い高めあえれば」。とにかく今は与えられた立場で、結果を残し続けることに集中する。

(取材・文 児玉幸洋)

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