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「できれば欧州の強いチームと対戦したいが、それは叶わない」厳しいマッチメーク事情もブラジル含む“強豪4連戦”実現

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 カタールW杯ベスト8入りに向け、上々のマッチメークとなった。日本サッカー協会(JFA)は28日、今年6月に行われるキリンカップにガーナ、チュニジア、チリが参戦すると発表。同月のキリンチャレンジ杯ではブラジル、パラグアイとの対戦も決まっており、森保一監督が常々求めてきた世界的強豪とのテストマッチ4試合が実現した。

 森保ジャパンは11月21日に開幕するカタールW杯に向け、6月4試合、9月2試合の国際親善試合を予定している。これまでのような夏開催のW杯では、大会直前に複数のテストマッチを組むことができたが、冬開催の今大会では開幕の約1週間前まで欧州リーグ戦が継続。そのため、”ぶっつけ本番”で大舞台に向かうしかなく、最終調整は早くも始まろうとしている。

 そうした中、通例より長い国際Aマッチウィーク期間が設けられている6月シリーズは基本戦術の熟成、新たなオプションのテスト、既存戦力の見極め、新戦力の抜擢など、さまざまなテーマに取り組める最後のチャンス。森保一監督も「チームコンセプトを浸透させ、チーム戦術の幅を広げる戦いをし、ワールドカップに向けて個々の選手のパフォーマンスを確認することをやっていきつつ、応援してくださる皆さんに勝利を届けられるように、キリン杯のトロフィーを掲げられるようにやっていきたい」と意気込みを語る。

 もっとも、肝心のマッチメークではかねてより苦戦が予想されていた。日本はカタールW杯でドイツ、スペインの欧州列強と同居することが決まった中、UEFAネーションズリーグ開催中の欧州勢との対戦は不可能。また同組のもう一枠はコスタリカ対ニュージーランドのプレーオフ勝者になるが、コスタリカの北中米カリブ海でも地域大会がスタートし、ニュージーランドは地域に比類するレベルのチームがないという問題が連なっていた。

 それでもJFAは「極力強いチームを」という森保監督のリクエストに合わせ、FIFAランキング首位のブラジルを招聘することに成功。アフリカ代表としてカタールW杯出場が決まっているガーナ、チュニジアをキリン杯に呼び、南米予選敗退ながらテストマッチとしては歯応えがありそうなパラグアイ、チリの来日にもこぎつけた。

 反町康治技術委員長は28日に行われたキリンカップに関するオンライン会見で「われわれのグループにはヨーロッパの国が2か国入ったので、できればヨーロッパの強いチームと試合がしたいというのがあるが、残念ながらそれは叶わない。北中米もネーションズリーグがあるためにマッチメイクできない。そうすると南米、アフリカになる」と経緯を述べた上で、アフリカ勢の2か国について「ワールドカップに出場する本気度のある国を呼びたいとお声をかけさせていただいた」と交渉の意図を明かした。

 また森保監督はブラジルとの対戦について「素晴らしいチームと試合を組んでいただいたことを本当に嬉しく思うし、ブラジルと対戦できるというワクワクした思いになった。試合を組んでいただいた方、尽力していただいた方々に感謝の気持ちでいっぱいになった」と満面の笑み。史上初のW杯ベスト8へ、森保ジャパンにこれ以上ない準備環境が整った。

(取材・文 竹内達也)
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