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大分FW藤本一輝がJ2初ゴール!! 岡山コーチと熱く抱擁かわした理由「おかげで折れずにやってこられた」

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FW藤本一輝岡山一成コーチ

[4.30 J2第13節 千葉 0-3 大分 フクアリ]

 3-0の完勝劇を締めくくった大分トリニータのダメ押しゴールは、FW藤本一輝がたった一人で生み出した。2020年に特別指定選手としてJ1デビューを果たしたが、リーグ戦ではこれが待ちに待った初ゴール。決まった直後には「オカさんのおかげで折れずにやってこられた」と仰ぐ岡山一成コーチと熱い抱擁をかわした。

 2-0で迎えた後半41分、足がつっていたFW伊佐耕平に代わって投入されるとわずか2分後にさっそく起用に応えた。相手のバックパスに対して完璧な読みでインターセプトすると、そのままドリブル突破をスタート。細かいステップで目の前のDF、そしてその先に立つGKと駆け引きし、最後は左足を振り切ってゴール右隅を射抜いた。

 ペナルティエリア内右にはMF宇津元伸弥も走り込んでいたが、巡ってきた決定機を譲るつもりはなかった。「絶対にパス出す選択肢はなくて、目線で宇津元のほうになんとなく雰囲気を出しながら……。パスは絶対に出す気はなかったので(笑)。しっかり点を取れて、確実に勝利を掴めたので良かった」。決めた後には真っ先にベンチに向かい、岡山コーチと熱く抱き合った。

 今季はここまでなかなか出番が巡ってこなかった藤本にとって、日々明るくチームを盛り立ててきた岡山コーチは大きな心の支えだった。

「紅白戦も出ていないくらいの時期が続いて、折れかけている時にオカさんが声をかけてくれた。ポジティブな人なので、ネガティブではなく常にいい方向に声かけをしてくれた。そのおかげで折れずにやってこられた」

 藤本は今季、開幕当初は出番を与えられ、第4節長崎戦(●1-4)では先発出場もしていた。しかし、大敗を機にシステムが4-4-2に変更されると序列が大きく低下。「フォーメーションが変わってから(序列が)ガクンと来ていた。でもフォーメーションが戻るまで待つというより、いまのフォーメーションでやれることをやってチャンスを掴むしかないと思っていた」。課題は守備の部分。そこに向き合ってくれたのが岡山コーチだったのだという。

 すなわち、この日の得点は共に課題を乗り越えてきた“恩師”の愛情への感謝となった。「守備などの部分で苦しむようになってから、岡山コーチとマンツーマンみたいな形で毎試合毎練習ポジショニングを確認していた中でのゴールだった」。そう明かした藤本は「オカさんのおかげ」と笑顔を見せた。

 また藤本にとっては、自身の本来の姿を示すゴールともなった。大分加入後はウイングバックを含むサイドでの起用がメインとなっているが、鹿屋体育大時代まではストライカーとしてプロの舞台に上り詰めた。「最近ずっと点を取ってなくて、ストライカーとしてプレーしていた部分を忘れてきていた中で、ああいう形で点を取れた。本来の自分の姿を出せていけたらと思う」と力を込めた。

 このゴールで全てがうまく回るようになるとは思っていない。だが、大きなターニングポイントになったのは間違いない。「自分の立場はいま低くて、毎試合積み重ねてやっと試合に出られる立場なので、ゴールという結果を残して次の試合につなげられて良かった」。あとはこうした働きを積み重ねていくだけだ。

(取材・文 竹内達也)
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