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今季2発目“直接FK弾”の大分MF下田北斗「章太くん相手に決めたいと思っていた」サイド起用でも存在感絶大

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MF下田北斗

[4.30 J2第13節 千葉 0-3 大分 フクアリ]

 1-0で迎えた試合終盤、大分トリニータの勝利を決定づける追加点はMF下田北斗の左足から生まれた。第10節の岩手戦に続き、またも直接FKをそのまま決めるスーパーゴール。右ポストに当てながらねじ込んだ高精度キックには、勝手知ったる元チームメートGK新井章太もわずかに手が届かなかった。

 安定した守備を見せながらもなかなかゴールが生まれなかった後半38分、大分はカウンターで抜け出そうとしたFW宇津元伸弥 がファウルを誘い、ゴール右斜め前でFKを獲得した。左利きの下田にとっては絶好の位置。MF野村直輝とともに位置につくと、相手の壁の前に立つ味方に対して慎重に指示を送っていた。

「壁を隠してくれている選手の立ち位置をちょっと調整して、相手が嫌がっているかはわからないけど、蹴りやすいようにはしている」。直前には壁に指示を出す新井に対し、FW伊佐耕平が目の前に立って駆け引きする姿も。準備は万端。下田の左足から蹴り出されたボールは鋭く弧を描き、右ポストを叩いて反対側のサイドネットに吸い込まれた。

「たまたまです」。試合後、ミックスゾーンに姿を現した下田はあっさり謙遜したが、かつて2019年に川崎Fで共にプレーしていた相手守護神を前に燃える気持ちはあったという。「章太くんは反応がすごくいいけど、章太くん相手に決めたいなと思っていた。決められて良かったけど……ちょっと怖いです(苦笑)」

 完璧なキックには一つの伏線もあった。後半29分、大分はドリブル突破を試みた野村がファウルを誘い、同じような角度のやや遠い場所でFKを獲得したが、下田のシュートは大きく上へ。「ちょっと一本目は遠くて、強めにけってふかした。2本目はちょっとリラックスして蹴ろうと思っていた」。2度目はしっかりと調整し、理想どおりの軌道で決め切った。

 FK以外でも存在感は絶大だった。この日は初めて4-4-2の左サイドハーフで起用され、3-4-3の千葉に対して戦術的なキーマンを担当。「ボランチをやっている中にサイドハーフの選手にこうしてもらったら助かる」という動きを意識し、リーグ初先発の左SB高畑奎汰とともに攻撃を活性化させていた。

「前を向いてボールを持てた時に自分の良さが出ると思っているので、相手の手が届かないところにポジションを取ることを意識していた」。そんな30歳には下平隆宏監督も「彼のところでいいアクセントになって配球できたり、高畑も高い位置を取ってストロングを出せていた」と称賛しきり。シーズン残り3分の2での逆転昇格へ、背番号11が命運を握っているのは間違いなさそうだ。

(取材・文 竹内達也)
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