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[MOM3825]初芝橋本GK永野貴碩(3年)_笑顔のリーダー。「自分が輝くよりも、チームが輝いてくれたらいい」

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笑顔のリーダー、初芝橋本高高GK永野貴碩主将は完封勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.30 高円宮杯プリンスリーグ関西2部第5節 初芝橋本高 1-0 奈良育英高 J-GREEN堺 S3]

 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2022 関西2部は4月30日、第5節2日目を行い、初芝橋本高(和歌山)が奈良育英高(奈良)に1-0で勝利した。

 初芝橋本は前半13分にこぼれ球をFW直真輝(3年)が押し込んで先制点。直やFW朝野夏輝(2年)の攻撃力を活かして決定機を連発した初芝橋本だが、そのチャンスを逸すると、逆に後半は奈良育英に主導権を握られてしまう。

 GK永野貴碩主将(3年=ガンバ大阪門真ジュニアユース出身)は、「(奈良育英の)足元のある選手に1タッチで崩されるようなところはちょっと怖かったですね。何とか結果ゼロで終われているので良かったと思うんですけれども、(プレミアリーグ勢など)もっと力のあるチームだったら仕留められている。もっと引き締めていきたい」という。
 
 後半、声でチームを支えるCB石丸晴大(2年)や永野を中心としたディフェンス。阪中義博監督が「僕が見た中で誰よりも速い」という快足FW東野啓太(3年)の仕掛けなどで攻める一方、シュートまで持ち込まれるシーンもあり、終了間際にはDF陣の連係の乱れから決定機を作られた。だが、鋭い反応で距離を詰めた永野がストップ。思うような試合内容ではなかったものの、勝ち点3を勝ち取った。

 永野は身長172cmと特別なサイズがある訳では無い。「自分は高さもなくて、技術もあまりないのでプレーより周りを動かして、というふうにしないといけない。逆にできることもある。小さい分、パッと動けたり、大きいとできないことを磨いて行くしか無い。小さい分、突き詰めていかないといけない」。この日は迷ってパンチングし、相手の流れを止められなかったシーンがあったことを反省。自分がやるべきことにこだわって、目標とする先輩を超える。

 2学年上の先輩GK藤澤周弥(現関西学院大)は、身長168cm。それでも、守備の柱としてチームの選手権出場に貢献した。「僕よりも身長低いですけれども、声も、キックも素晴らしくて、僕よりも小さくてもやれている。自分もやらないといけないと思っています」

 1年時から学年リーダーを務めてきた永野は、3年間担任の阪中監督から指名を受け、主将に就任。「いつもだったら(最初は)リーダーの候補で1週間ずつ回すんですけれども」今年は自分一人に託してもらっている。

 そのことを意気に感じている永野は、副主将のMF飯野朝陽(3年)らのサポートを受けながら、行動力と発信力でチームを引っ張っている。「チームが上手くいかない時の声がけや雰囲気作りを心掛けて、どんな時も笑顔でやるのは自分の良いところになると思う。自分が輝くよりも、チームが輝いてくれたらいい。僕は去年、ベンチから声を掛けるだけだった。今年はピッチに立たせてもらって、キャプテンマークも任せてもらって責任重大だし、だからこそ楽しんでやれたらいい」。チームが困った時はこの日のようなビッグプレーで助けること。笑顔を欠かさずに楽しみながら仲間たちを支え、初橋を輝かせる。
 
(取材・文 吉田太郎)
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