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[MOM3837]桐光学園FW野頼駿介(3年)_厳しい評価もゴール前で特長発揮。練習の成果と強い思いで決勝点

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前半23分、桐光学園高FW野頼駿介が左足で決勝点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.7 関東高校大会神奈川県予選準決勝 桐光学園高 1-0 湘南工科大附高]

 1月の全国高校選手権後に離脱し、4月29日の今大会初戦が復帰戦だった。エース候補のこの日のパフォーマンスについて、桐光学園高の鈴木勝大監督は厳しい評価。シュート1本に終わったことを指摘し、本人も後半に運動量が落ちてボールを引き出せなかったことを反省していた。それでも、FW野頼駿介(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)はフィニッシャーとしての特長も発揮。決勝点を叩き出した。

 前半23分、バイタルエリアでボールを持った野頼は、厳しいチェックを受ける形で倒れながらも、右サイドへ展開。すぐに起き上がった背番号8は、ゴール前へ向けてスプリントする。その間、右WB杉野太一(1年)のグラウンダークロスをニアのFW宮下拓弥(2年)がフリック。最後は、タイミングよく飛び込んだ野頼が「シュートシーンは自分でもびっくりするくらい落ち着いて流し込めました」という左足シュートでゴールネットを揺らした。

 野頼は初戦の横浜創学館高戦に続き、2試合ぶりのゴール。「(ともに前線でプレーするFW宮下拓弥とMF松田悠世の2人の)2年生が2試合連続獲っていたので、きょうは自分が獲りたかった」。また、パスを出した後に動き直してフィニッシュできるのは、野頼の特長の一つ。「紅白戦で(パスを)出したら入っていくことを意識しているので、それが出たかなと思っています」という成果と後輩に負けられないという強い思いが生んだ1点だった。

 この日の前半はシャドーの位置でボールを上手く引き出して攻撃の起点に。また、動き出し速くハイサイドへ抜け出し、セカンドボールの回収の部分でも貢献度は大きかった。ただし、力があるからこそ、チームの要求は高い。本人も理解しており、「勝さん(鈴木監督)がいうように、自分が3年というのもあるし、もっとリーダーシップもってやらないといけない。自主練とかでも意識変えてやってクロスに飛び込んでいくことが自分の中では大事かなと思っています」と引き締めていた。

 今季のJ2では、桐光学園のOBであるFW小川航基(横浜FC)が早くも10得点と量産中。野頼は「桐光でやった人がああやって活躍していると、自分も追いつきたいというか、あの場所でやって活躍したいなと思っています。(小川のような)エースになるのは毎試合1点とかゴールに毎回絡まないと認められない」。期待に応えるため、コンスタントに結果を残し続けて自身の評価も高める。

(取材・文 吉田太郎)

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