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“オシムチルドレン”佐藤勇人CUOが師を悼む「オシムさんに会って変わることができた」

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佐藤勇人クラブユナイテッドオフィサー

 ジェフユナイテッド千葉は8日にホームのフクダ電子アリーナでJ2第15節・ファジアーノ岡山戦を開催した。イビチャ・オシム氏(享年80)が1日に亡くなってから初めて行われた本拠地での試合。佐藤勇人クラブユナイテッドオフィサー(CUO)が試合前に会見を行い、「オシムさんに会ってから変わることができた」と恩師との思い出を振り返った。

 佐藤CUOは現役時代に千葉でオシム氏のもとでプレー。2005年にはナビスコカップで初優勝を果たした。06年にオシム氏が日本代表監督に就任すると、“オシムチルドレン”の一人として代表メンバーに選出。弟・寿人氏とともに日本代表初の双子共演も成し遂げた。

 試合前には追悼セレモニーが実施された。佐藤CUOやオシム氏の通訳を務めた間瀬秀一氏をはじめ、多くのクラブOBが集結。献花台には、千葉のサポーターや対戦相手の岡山のサポーター、日本のサッカーファンが駆けつけ、オシム氏を悼んでいた。

 千葉と日本代表での師であるオシム氏の逝去に、佐藤CUOは「お亡くなりになられてから、自分も心の整理がつかないまま、今日という日を迎えた。献花台のところでたくさんのファン、サポーターの方、対戦相手の岡山のサポーターの方が、お花を持ってオシムさんに会いに来てくれた。改めて本当に偉大な方に、自分もジェフもお世話になったんだなと感じています」と語る。

 オシム氏の言葉が記された“語録”が大ヒットし、一大ブームにもなった。佐藤CUOにとって、師の一番印象的な言葉は「野心を持ちなさい」だという。

「ジェフというクラブも当時J1で、優勝も降格もするかしないか、ある程度気楽な順位、プレッシャーもない順位だった。満足とは思っていなかったですけど、オシムさんからは、それが楽で満足しているのかと」

「オシムさんに野心を持ちなさいと言われてからは、ひとりのサッカー選手として、チームを優勝に導きたいとか、日本代表に入りたいとか、クラブの歴史に名を残したいとか、そういう野心がプレー面ではっきりと出ました。プレー以外のところでもひとりの人間として、やれること、見せられることはあると感じた。それはオシムさんに会ってから変わることができたと思います」

 また、佐藤CUOはオシム氏を「ピッチに戻したかった」とも語る。「体調も含めて難しいのはわかっていたけど、どうにかしてピッチに戻したい、可能であればジェフにかかわってほしいと思っていた」。それは実現しなかった。しかし、それでも師からの教えはたしかに残っているようだ。「オシムさんをジェフの歴史の一部として、オシムサッカーを根付かせるために、やるべきことがあるなとひしひしと感じている。そこに自分が関われるように、認められるように、自分の仕事をやっていきたいと思います」。これからも“オシムチルドレン”として、その使命を果たすことを誓った。

(取材・文 石川祐介)
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