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[MOM795]拓殖大FW三浦敏邦(2年)_“神戸U-18の絆”に感謝の2ゴール

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2得点を決めたFW三浦敏邦(2年=神戸U-18)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.14 関東大学L1部第6節 法政大0-4拓殖大 保土ヶ谷]

 拓殖大がようやく今季の初陣を迎えていた法政大に容赦なく襲い掛かった。

 口火を切ったのがFW三浦敏邦(2年=神戸U-18)だった。前半29分に右足で豪快にゴールネットを揺らすと、数的優位となって迎えた後半8分にはMF日野翔太(2年=堀越高)とのコンビネーションで左サイドを突破したMF加藤悠馬(3年=神戸U-18)のクロスに飛び込んで追加点を決める。今年からやり始めたというイニシャルのMを両手で表したゴールパフォーマンスも披露し、喜びを爆発させた。

 大学リーグデビュー戦となった今季開幕戦で三浦は今季初ゴールを記録。前半27分のアクシデントによる緊急出場だったが、同点で迎えた後半25分に決勝点を奪い、開幕戦の逆転勝利に導いていた。

 ただ初得点を決めた後、3試合の先発を含む全4試合に出場していたが、シュートすらなかなか打たせてもらえずに無得点。早くも壁にぶち当たっていた。

 そこで相談したのが、4月30日の試合でも対戦した神戸U-18時代の先輩MF山内翔(筑波大)だった。普段から電話することが多いという先輩に悩みを打ち明けると、「ユースのころからちょっと点が取れないだけで考えすぎ」「あとシュート数がシンプルに少ない」などの助言をくれたという。

 この日の先制点の場面では、遠目から思い切って右足を振り抜いた。「今日の1点目なんかもとりあえず打とうと思って打ったら入った感じ。アドバイスをもらったことで、自信を持ってプレーできるようになりました」。2点目の神戸U-18ホットラインの開通を含め、高校時代からの絆に感謝せずにはいられない。

 185cmの恵まれた体格。高校進学時には複数のクラブから誘いを受けたというが、出身地である大阪府の隣県クラブにお世話になることを決めた。「当時はポドルスキ選手もいたし、イニエスタ選手も入ってきた。だから神戸が一番いいと思って決めました」。

 新型コロナウイルス感染症の影響でトップチームと絡むことはほとんど出来なかったが、それでも1度練習試合を実施。そこでFW藤本憲明の献身的なプレーに衝撃を受けたことを明かす。「常に動き続けていたので、動画を見返して参考にしています」。

 昨季、入れ替え戦に勝利して初の1部残留を決めた拓殖大は、2、3年生に楽しみなタレントが揃う。現2年生のDF関根大輝(2年=静岡学園高)とMF日野翔太(2年=堀越高)は1年生のころから10試合以上に出場。未出場だった三浦が「あの2人に追いつけるように」と頑張ってきたと明かしたように、チーム内にもいい競争が生まれている。

 その結果か、先日U-19日本代表候補との練習試合を行った1、2年生で編成した関東大学選抜のメンバーに三浦も帯同。「(U-19代表の)横山歩夢選手や千葉寛太選手はすごくいい選手だなと思った。もともと盗めるものは盗もうと思って入ったので、いい経験になった」と更なる刺激を受けることが出来た。

 急成長をみせる三浦だが、まだまだと言わんばかりに気を引き締める。この日も後半15分に足をつらせて途中交代。終盤にチームに2得点が生まれたことを考えると、ハットトリックのチャンスを逃したと言えなくもない。

 三浦も「4点目を決めれば、ランキングトップだった」と強気に話すと、「得点力をもっと増やさないといけない。2年で最低でも2桁を取りたい。得点を量産していきたい」とどこまでも貪欲だった。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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