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再び接戦落として4敗目。流経大柏の“強い”3年生に求められる変化

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流通経済大柏高の日本高校選抜左SB大川佳風主将はチームの変化を求める

[5.14 高円宮杯プレミアリーグEAST第7節 大宮U18 2-0 流通経済大柏高 NACK]

 名門校が、苦しんでいる。流通経済大柏高(千葉)は3月の練習試合で流通経済大のトップチームに2-0で勝利するなど、周囲が驚くような強さを披露。U-17高校選抜組が不在だったフェスティバルで黒星がついたものの、好調、前評判の高いままリーグ開幕を迎えようとしていた。

 だが、開幕直前の時期に活動がストップした影響で歯車が狂ってしまう。開幕2戦目で横浜FMユースから劇的な勝利を挙げたものの、接戦で勝ち点を落とし続けてこの試合前まで1勝1分3敗。勝ち切れないと同時に怪我人が増える中、この日はともに1年生のMF柚木創とMF堀川由幹を先発に抜擢した。

 2人は序盤こそ大宮U18のスピード、強度に苦戦したものの、ボールタッチの回数を増やすとともに技術力の高さやアイディアを発揮。チャレンジする姿勢も良く、攻撃を牽引するほどのプレーを見せていた。

 上級生たちは1年生に気持ち良くプレーをさせていたが、一方で彼ら自身のプレーは物足りない内容。榎本雅大監督は「3年生が奮起しなきゃ」と厳しく指摘し、主将の日本高校選抜左SB大川佳風(3年=FC多摩ジュニアユース出身)も「一からやらないと。自分たちのメンタルは幼いし、コーチ陣やエノさん(榎本監督)に迷惑かけてばかりなので、一人ひとりが責任を持たないといけない」と首を振った。

 今季、流経大柏はセカンドチームがプリンスリーグ関東1部に昇格。主に2年生がこのカテゴリーで戦い、Aチームは3年生と1年生中心の構成となっている。3年生は注目GKデューフエマニエル凛太朗(3年)が長期離脱中だが、大川をはじめ、ともにU-17日本高校選抜の右SB都築駿太(3年)とCB萩原聖也(3年)、U-16代表候補歴を持つFW堀川大夢(3年)ら攻守に好選手が揃う世代だ。

 だが、指揮官はその3年生が他人任せになってしまっていると分析する。この日もそれぞれが勝利を目指して走り、戦った。だが、立ち上がりに簡単に失点し、主導権を握っている時間帯でどこか怖さを欠いて攻め切れず、終了間際の失点で0-2。榎本監督は「(主将の)佳風が一人で藻掻いている。(3年生の)自覚が見えてこないと厳しいでしょうね」と厳しかった。

 敗戦の責任を背負う大川は、「全部自分がやるくらいで獲って、獲らせて、守って、ピンチを防ぐというのを自分がやらないといけない。それを継続させながらも、キャプテンという立場なのでチームに継続してやらせないといけない。次は(このような戦いは)無いし、負けたら自分たちだけでなく、一個下にも影響があるから負けられない」と力を込めた。

 目標の3冠へ向けたスタートは、予想以上に難しいものになっている。苦しい状況の中、間違いなく地力のある3年生たちがより団結して変化すること。個々がチームのために走る、戦う部分から変えて、決める、守り切る、そして勝ち切ることに繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
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