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鹿島が211日ぶりの敗戦で首位陥落、リーグ戦連勝は14でストップ(浦和vs鹿島)

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[4・13 J1第6節 浦和2-0鹿島 埼玉]

 鹿島の快進撃がついに止まった。宿敵・浦和に0-2で敗れ、ACLを含めて今季公式戦9試合目で初黒星。昨年9月から続いてきたリーグ戦連勝記録も14でストップし、首位の座を名古屋に明け渡した。鹿島がリーグ戦で敗れたのは昨年9月15日の名古屋戦(0-3)以来、実に211日ぶりだった。
 DF岩政大樹は「得てしてこういう相手に連勝は止まるもの。レッズに止められたのはすごく悔しい」と唇をかんだ。昨年11月24日の浦和戦。アウェーに乗り込んで1-0で勝ち、逆転優勝の呼び水となった。そのリベンジに燃える浦和相手に返り撃ちを狙ったが、今季公式戦8試合で30得点を挙げた攻撃陣がこの日は沈黙した。
 シュート数は15対9。決定機の数も上回っていた。しかしGK都築龍太の神がかった好セーブと守備陣の体を張った気迫のディフェンスを前に、最後までゴールネットを揺らすことができなかった。FW田代有三は「相手以上の気持ちを持ってやろうと話していたし、気持ちで負けたとは思わない」と言った。「連戦の疲労?ないと言ったら嘘になるけど、それは言い訳にならない。疲労で負けたのではなく、チャンスをものにできなかったから負けた」と言い切った。
 9日のACL北京国安戦も苦しみながらの1-0辛勝だった。連戦の影響か、この試合でも最後の場面でミスが目立った。MF野沢拓也、DF内田篤人という主力2人をケガで欠いた影響もある。これまで先発を固定して戦ってきたことでチームの完成度は高まったが、逆に代役の選手が入った場合に、いつもの連動性が生まれない弊害を生んだ。野沢に代わるMFダニーロは個人技の高さでチームに新たな色を加えたが、パスの流れがふいに止まることもある。内田に代わって右サイドバックに入ったDF伊野波雅彦は周囲と連係してサイドを崩す場面をほとんどつくれなかった。
 岩政は「メンバーが変わって、大きな問題はないけど、今までのメンバーほどオートマチックにはならない」と認める。だが、長いシーズンを、しかも過密日程の中で常に同じメンバーで戦えるはずがない。この課題を打ち破らない限り、鹿島のリーグ連覇、アジア制覇への道は厳しさを増していくだろう。

(取材・文 西山紘平)

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