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同点PK演出と幻の勝ち越しヘッドに浦和DF明本「絶対に決めてやろうと思ったけど…」

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DF明本考浩

[5.21 J1第14節 浦和1-1鹿島 埼玉]

 37,144人の観衆が入る中、2位の鹿島アントラーズを相手に力の入った見応えのある一戦を演じた浦和レッズだったが、またしても勝利には届かなかった。1-1のドロー。ただ、ACLを挟んで4試合連続フル出場となったDF明本考浩が見せた、攻守にわたる力強いプレーはスタジアムを大いに沸かせた。

 鹿島対策として講じられた5バック気味の布陣で、左ストッパー的な役割をしつつ、持ち味である高い位置でのプレーで得点場面を演出したのは、1点を追っていた前半40分だった。左サイドを深く突破した明本がゴールラインすれすれの位置から左足でクロスを送ると、鹿島DF関川郁万がスライディングしながら右腕でブロック。西村雄一主審がVARの助言からオンフィールド・レビューを行い、浦和はPKを獲得した。これをDFアレクサンダー・ショルツが決めて1-1の同点とした。

「最初は3枚回しだったが、相手の動きを見ながらベンチから4枚で回そうと指示があったので、思い切り高い位置を取ったことでクロスからPKが生まれた」。明本は胸を張った。

 互いに次の1点を奪うために力のこもった攻防が続いた後半は、ピンチの後にチャンスがあった。後半16分、明本が自陣で鹿島FW鈴木優磨にボールを奪われる大ピンチ。チーム全体でそれを防ぐと、その10分後にビッグチャンスが訪れた。MF岩尾憲のFKから明本が見事なバックヘッドでゴールネットを揺らした。しかし、DF岩波拓也のところでファウルがあり、得点は認められなかった。

「心境としては本当に悔しかった。その前に僕は自陣でボールを失いましたから、そのミスを取り返すために絶対に決めてやろうという気持ちはあった。その中であのようなファウルがあったので本当に悔しかったです」。明本は複雑な顔で唇を噛んだ。

 J1最多タイの7試合連続ドロー。勝ち点1の積み上げにとどまる結果が続いているが、3試合連続で無得点だったFC東京戦、柏戦、広島戦と比べると、FWキャスパー・ユンカーのハットトリックで3-3の同点に追いついた横浜FM戦の後半からゲーム内容は上向いている。

「後半、もう少し自分が高い位置を取れればもっとスムーズな攻撃ができたのではないかと思う」と語る明本は、「勝てる試合もあったし、ポイントを落としているのは事実だけど、負けてはいないのでポジティブにとらえつつ、改善すべきところはある」と前を向く。

 この日はゴール裏をはじめ、スタンドを全体で浦和名物のビジュアルサポートが浮かび上がった。

「浦和のサポオーターは熱い。それを力に変えないといけない。そういう闘う姿をもっと前面に見せて勝たないといけない」

 課題を見つめつつ、下を向かないのが明本。次こそ勝利をと誓いながらスタジアムを後にした。

(取材・文 矢内由美子)
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