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[MOM3847]日本文理GK日隠レックス海斗(3年)_“北信越屈指”のGK競争経て成長。全国決勝での兄弟対決目指す

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日本文理高GK日隠レックス海斗は好守に加え、飛距離十分のキックも

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.21 高円宮杯プリンスリーグ北信越第8節 日本文理高 1-1 帝京長岡高 日本文理高G]

 日本文理高(新潟)は勝ち点3を挙げることこそできなかったものの、DF陣の主軸を欠く中で無敗首位・帝京長岡高から勝ち点1を奪取。駒沢隆一監督は「必ずチームを助けるセーブを毎試合するんですけれどね」というGK日隠レックス海斗(3年=FC東京U-15深川出身)を高く評価していた。

 日隠は前半、ペナルティアークから注目MF廣井蘭人(3年)に放たれた左足シュートを好反応でセーブ。後半22分にはFW土門遥斗(3年)の決定的な一撃を1ハンドでストップした。この日、日本文理は帝京長岡のポゼッション対策としてハイラインを設定。しばしばその背後を狙われたが、日隠はその広いスペースを埋め、終盤にもPAからのシュートをストップするなど安定感の高さとセービング力を示した。

 勝ち点1をもたたす活躍だった。だが、本人は「ピンチというピンチではなかったので。プレーを終わらすということを意識していたので、安定感というところが自分の武器だと思っているのでそこが発揮できて良かったと思っています」と“当然の”表情。“北信越屈指”の激しいGK争いを経てピッチに立つ日隠は、自信を持ってプレーしている。

 日本文理は今季、日隠とGK川村太人(3年)が1試合ずつ交代で先発出場。3勝1分1敗と好調なチームを後押ししている。日隠は「プリンスも今、5試合終わって(自分と川村で)半分ずつで出ていて、一個下には松澤(誠也)というナショトレに入っているGKもいるので、北信越でも上の方を目指してGK陣はやっています」という。競争を楽しみながら、日常からレベルアップ。この日は、注目GK擁する帝京長岡相手に練習の成果を発揮した。

 帝京長岡のGK佐藤安悟(3年)は1年時から全国舞台で活躍し、U-17日本高校選抜にも選出されている。注目GKとの対決は意識していたという。「意識しましたね。よくテレビで見ていました。(今日もその)レベルを見ていたんですけれども、やっぱり凄くて」。後半は互いにチャンスを作り合い、互いの守護神が止め合うような展開。日隠はインターハイ予選で佐藤らライバル校のGKを超えて、全国大会で兄と対戦することを目指す。

 日隠の双子の兄であるMF日隠ナシュ大士(3年)は昨年度、堀越高(東京)の2年生レギュラーとして選手権全国大会に出場。「(兄は)友達みたいな感じ。悔しい気持ちじゃなくて、率直に嬉しい気持ちがあります」と応援した。今年は同じ舞台に立つことが目標だ。

「全国決勝とかで当たりたいですね。(家族が大変なので)下の方とかであまり当たりたくないですね」と日隠。まずは、チーム内競争を勝ち抜き、「練習会来た時に雰囲気が良いというか、ガツガツしているところがあって、話を聞くと帝京(長岡)に勝ちたいとか向上心があるチームだと思って選びました」という日本文理を全国大会へ導かなければならない。

 入学後のフィジカル強化の成果もあり、キックの飛距離が飛躍的に向上。この日は一本のキックで相手を引っくり返すシーンもあった。また、入学後に7、8cm身長が伸びたことで、現在は登録の180cmを大きく上回る高さ。これらの武器に加え、「ミスがないGKが一番良いと思っている」とこだわってきた安定感でチームを必ず勝たせて、目標に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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