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帝京長岡は無敗継続も注目SB桑原航太主将は課題を指摘。16年以来のインハイへ「是が非でも出ないといけない」

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帝京長岡高DF桑原航太主将は右SB、CBとしてチームにプラスアルファを加える

[5.21 高円宮杯プリンスリーグ北信越第8節 日本文理高 1-1 帝京長岡高 日本文理高G]

 帝京長岡高(新潟)は、日本文理高のコンパクトな守りと力強い攻撃に苦しみながらも1-1で引き分け。プリンスリーグ北信越の首位と無敗を守り、5勝2分とした。谷口哲朗総監督は「ここまで負けないのもなかなかないんですけれども、ここまで点が獲れないのもないんですよね」と7試合で11得点の得点力について指摘。この日は、自陣の深い位置からでも小さなスペースを攻略しながらゴール前まで前進し、決定的なシーンに繋げていたが、1得点に終わった。

 前半は後ろに重い展開。右SB桑原航太主将(3年=東京ヴェルディジュニアユース出身)は、「(一人ひとりが、)上手く行っていない時に立て直せる選手になっていかないといけないと思っている。全員が全員頼りになれれば、もっと良いチームになる」。自発的に声を出す選手の多かった昨年に比べると、まだまだ元気や勢いが足りない。谷口総監督は、1年時から選手権の大舞台を経験してきた桑原やU-17日本代表MF廣井蘭人(3年)に頼りすぎている面もあり、「突き抜けて暴れるような選手」がまだまだ少ないという印象を口していた。

 この日、U-17日本高校選抜GK佐藤安悟(3年)のファインセーブなど、ゴール前での我慢強い守備を見せた。今季のリーグ戦は7試合で3失点。得点が不足している中、守備の頑張りもあって無敗を継続している。

 だが、桑原は「微妙ですね。自分たちの守備の能力は高い訳ではないので。相手のレベルが上がってくると守備で歯が立たないところも出てくると思う。失点していない今だからこそ、もっともっと強めていかないといけない。まだまだ球際の部分が弱いですし、去年からカバーリングの部分で一人にさせないという守備も。球際は一番意識してやらないといけない」と厳しい。どの状況、どの相手でも通用する守備に引き上げることを誓っていた。

 1年時からレギュラーを務めてきた桑原は、日本文理戦で右SBとして先発。前半はチーム全体が上手くいかない中、39分にCBへ回り、攻守を安定させた。相手のパワーある攻撃に対し、随所で際の強さを発揮していた印象だが、「何度も入れ違うシーンや細かいミスもあったので、もっと集中力を高めていかないといけない」と反省。終盤は再び右SBへ戻り、推進力を加えていたが、チームを勝たせることができなかった。

 進路も注目のDFは、「チームがインターハイに出られるため」だけに集中。それを達成した上で、「自分、そんなに仕事ができる選手ではないので、点を獲ることだったり、カバーリング、ビルドアップ、運動量というのはもっとやってアピールしていきたい」と力を込めた。

 帝京長岡は19、20年度の選手権で2年連続3位。選手権は4大会連続で出場中だが、インターハイは16年大会の出場が最後で、これまで5度の全国大会で1勝もすることができていない。今年はインターハイで活躍して選手権へ。桑原は「自分としても最後の年ですし、是が非でも出ないといけない大会だと思う。本当に一から引き締めていかないといけない」。細部から徹底し、激戦区・新潟予選を必ず突破する。

(取材・文 吉田太郎)
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