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[MOM800]京都産業大MF夏川大和(3年)_“レベチ”と感じたユース組にもビビらなくなったドリブラー

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MF夏川大和(3年=草津東高)は2ゴール1アシストの活躍をみせた

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.28 関西学生L1部第6節 京産大4-0立命大 万博]

 今季初スタメンに燃えていた。「今季は怪我とか体調不良で出られない時間が多かったけど、練習からコンディションを上げて行けた結果かなと思います」。2ゴール1アシストで京都産業大を勝利に導いたMF夏川大和(3年=草津東高)は、満足げに笑みを浮かべた。

 持ち味が十分に出せた結果だと胸を張る。先制点となった1点目は前半7分、ゴール正面、エリア手前にこぼれたボールに素早く反応した夏川は、右足を一閃。「蹴った瞬間に入ったなと思った」という完璧な弾道のミドルをゴール左隅に蹴り込む。

 さらに前半17分にはDF吉木大喜(4年=G大阪ユース)とのコンビネーションで左サイドを崩すと、MF杉田迅(4年=京都U-18)の追加点をアシスト。そして後半開始早々の2分には相手DFの背後に走り込むと、相手GKのミスを見逃さず、しっかりと2点目を蹴り込んで、勝利の可能性をグッと引き寄せた。

「ゴールは公式戦だと去年の大阪教育大戦(後期第6節)で決めて以来です。ドリブルを得意としていて、後ろに下げても仕方がない。仕掛ける勇気を持てていることは、大学に来てからの成長かなと思っています」。この日も最大の武器だと語る「仕掛け」で相手を翻弄した。

 滋賀県の強豪である草津東高出身で、2年、3年時は高校選手権で全国の舞台を経験。しかし初戦で青森山田に大敗を喫するなど、全国レベルでは苦い思いもした。また、より高いレベルでの成長を求めて大学に進学してきたが、そこでも入学時はチームメイとなった選手のレベルの高さに驚かされることも多かったという。

 特に同じスポーツ推薦入学組にガンバ大阪ユースからやってきた選手が多くいたことで、「初めの方はビビッてしまっていた」。ただ打ち解け合ってからはそんな不安も取り除くことができたという。「大学に入った時はJユースが“レベチ”みたいな感じでビビッていた部分もあったけど、徐々に慣れていって、自分もやれるんだと思えたことで、試合でも使ってもらえるようになったと思います」。

 自分がどこまで成長したかを確かめるためにも、全国大会に出場したいという思いを強くする。昨季、京産大は関西リーグで2位に入り、30大会ぶりに大学選手権(インカレ)に出場。しかし夏川はベンチ入りはしたものの、出場なしに終わった。

 今年こそは出場して、チームを上位へと導きたい。「去年は関西選手権で負けて総理大臣杯に行けなかった悔しさがあって、熱量が変わったところがあった。でも今年は大臣杯に出場して、自分も活躍したいです」。全国大会で活躍する姿を想像しながら、更なるレベルアップを図っていく。

(取材・文 児玉幸洋)
●第100回関西学生L特集

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