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14大会連続出場まで、あと2つ…開始6分で2点の先制パンチ!! 米子北、境に3発勝利で準決勝へ

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米子北高境高に勝利を収めてベスト4進出

[5.30 インターハイ鳥取県予選準々決勝 米子北高 3-1 境高 鳥取県フットボールセンター大山]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」サッカー競技(徳島)鳥取県予選準々決勝が30日に行われ、米子北高境高を3-1で下し、6月4日の準決勝に駒を進めた。

 昨年度の選手権予選決勝と同じ顔合わせとなった一戦は、優位が予想された米子北が開始直後から猛攻を仕掛け、あっさり均衡を破る。前半2分(35分ハーフ)、左からのセンタリングを、中央でFW山田颯元(3年)が受けて右サイドに流し、待っていたMF浅野颯真(3年)が蹴り込んだ。

 さらに波状攻撃を続ける米子北は前半6分、ゴール前中央でパスを受けた山田が浮き球をボレーシュート。境の選手に当たってコースが変わったボールがネットを揺らし、あっという間にリードを広げる。

 先制パンチを浴びた境も、前半10分にFW植野睦紀(3年)が米子北GK西山飛源(3年)へのバックパスに鋭く詰めるなど、少ないチャンスを生かして反撃を狙うが、シュートを打つには至らず。だが米子北も、中村真吾監督が「2点を取ったことで一つ横パスが増えたり、勇気を持って仕掛けなかったりして、ゴールに向かう姿勢が弱くなった」と指摘した失速などで、点差を広げて勝負を決めることができない。

 境は前半27分に右サイドでフリーとなった植野が右足で狙い、大きく外れたものの、この試合の初シュート。前半のシュートは1本のみで、終始押し込まれる展開となったものの、0-2で踏ん張って前半を終えた。

 何とか勝機をつなぎ留めた境は、後半も立ち上がりから攻め込まれながらも、少ないチャンスを生かして1点を返す。後半8分、ハーフウェーライン付近からのFKをゴール前に送ると、米子北の守備陣がクリアし切れずにゴール前で混戦となったところを、植野が押し込んで1点差とした。

 息を吹き返した境はその後、米子北の反撃をはね返した後の攻撃に勢いが出て、ゴールに迫る場面を増やしていく。FW小林潤平(3年)が左サイドをドリブルで突破して際どいセンタリングを送るなど、懸命の反撃を見せた。

 しかし、適切なリスク管理で決定機は作らせなかった米子北は後半28分、交代出場のMF中井唯斗(3年)が左サイドを突破してセンタリングを送り、同じく交代出場のFW小橋川海斗(3年)がヘッドで合わせ、再び2点差に。粘る境を振り切り、準決勝進出を決めた。

 13大会連続16回目の出場となった昨年度は、決勝で青森山田高(青森)に敗れたものの全国準優勝を果たしている米子北は、鳥取県内では図抜けた存在。しかし今年は新型コロナウイルスの影響で2月に休校・部活動停止の時期があり、新年度になってからもプリンスリーグ中国の2試合が延期となるなど、難しいチームづくりを強いられている。

 この日も内容を見れば力の差は明らかだが、初戦となった前日の2回戦でも米子工高に1失点を喫しており(4-1で勝利)、トーナメントの序盤で主力を温存しても、予選全試合で大量得点&無失点が当たり前という近年との違いは気になるところ。「今年は、これまでのようにはいかない」と語った中村監督は、「今日も攻守の切り替えがすごく遅かった。粘り強く、ていねいに戦わなければいけないし、勝つためにしっかり準備したい」と、まずは米子松蔭高と対戦する6月4日の準決勝に向けて手綱を引き締めていた。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校総体2022

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