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[MOM3863]花巻東FW作山寛都(3年)_「野球部はお手本」主将が1G2A!「哲さん」の下で初の全国へ

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決勝で1ゴール2アシストを決めたFW作山寛都(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.30 インターハイ岩手県予選決勝 花巻東5-0専大北上 遠野運動公園陸上競技場]

 自画自賛の先制弾となった。花巻東高は前半3分、3トップで作ったチャンスから主将FW作山寛都(3年=ヴェルディSS岩手)の足元にボールがこぼれる。「まさかこぼれて来ると思っていなかった」と振り返った場面だったが、利き足と逆の左足を力強く振り抜く。

 さらに作山は前半23分と後半6分のFW中村翔大(3年=ヴェルディSS岩手)のゴールで連続アシストを記録。「今日は1点差くらいの厳しいゲームになると思っていたのでびっくりしています」と5-0での大勝劇に目を丸くするが、「みんなで声をかけて集中していたことが良かったと思います」と笑顔を弾けさせた。

「野球部はお手本にさせてらっています」(作山)

 メジャーリーガーの菊池雄星や大谷翔平を輩出、今年度も注目スラッガーの佐々木麟太郎内野手を擁することで注目を集める野球部が、花巻東の名前を全国区にしている。

 野球部の部員とはクラスが違うためになかなか交流はないというが、野球部の佐々木洋監督には直接アドバイスを貰うことがあるという。清水康也監督も「とにかく野球が有名なので、少しでもサッカー部も頑張りたい」と意識を十分にする。

 サッカー部の急成長も目を見張るものがある。昨年冬に新チームで戦った新人戦で初の岩手県制覇を果たすと、同大会の東北大会でベスト4に進出。元日本代表主将の柱谷哲二氏がテクニカルアドバイザーを務めていることからも話題を集めた。

 選手らは「哲さん」と親しみを込めて呼んでいる。現役時代はもちろん知らないし、ドーハの悲劇など伝説は聞いたことがある程度。「お父さんやお母さんたちの方が、『何でここにいるんだ』ってなる」。毎回、自分たちの親が興奮気味に接している姿をみて、誇らしい気持ちになると笑う。

 昨年度大会に岩手県代表としてインターハイに出場した専大北上は、1回戦で前橋育英に1-7で大敗。全国の壁を感じさせた。悔しい思いを持ったのは同じ。「岩手にもいい選手がいるんだということを示したい」。

 今大会予選も準々決勝から3日間の連戦で、翌日の対戦チームの試合も観戦可能だったが、柱谷TAは選手たちを少しでも休ませようと、すぐに帰らせていたという。選手ファーストを第一に掲げる「哲さん」の下で、イレブンも自信を持って初の全国大会に向かう。

(取材・文 児玉幸洋)
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